身長の悩み

身長が低い。

最後に計測した時は確か、149cmと150cmの間。

150cmにギリギリ至っているかどうか・・・というレベルだった。


身長が低いと、何かと不便なことがある。

でも、大抵のことは気にならない。

満員電車で押し潰されることも、ツ◯ヤの棚の一番上に手が届かないことも、服屋のスカートやズボンのサイズが面白いくらい合わないことも・・・その他諸々、別にどうだっていい。


身長が低くて悔しくなるのは、舞台を観に行って、前に座っている人の頭で舞台の一部が見えなくなる時だ。


身長が低めではなくても、自分より背の高い人が前に座ってしまえば、皆そうなるだろう。

だが、身長が低めの人は、この悲劇に見舞われる機会が圧倒的に多いと思う。だって、自分よりデカい人ばっかりだから。


客席には段差や傾斜があるし、席が千鳥配置になっている劇場も多い。

それでも、視界がさえぎられる時は容赦なく遮られてしまうのだ。

S1席に座ったのに舞台の真ん中がほぼ見えない、ということもあった。


無論、前に座っている人に文句を言いたいわけではない。

劇場や、そこで働いているスタッフさん達に文句を言いたいわけでもない。

誰かに腹を立てているのではなく、ただただ悲しいのです。

(ですが、前のめりで観劇する奴のことは許しません。反省してください)


客席に座り、視界が遮られていた時の、あの絶望感。

推しが国宝級神演技を繰り広げているのにそれがよく見えない時の、発狂しそうな焦燥感。

もちろん、推しの演技は演技を超えた演技なので、たとえ姿が見えなくても声・・・いや、舞台と客席を包む『空気感』だけで登場人物の心情が伝わってくる。

だけど、見たいじゃないですか!

頭からつま先までちゃんと見たいじゃないですか!

だって推しは指先まで含んだ全身で演技してるんですよ!

全部見たいのは当然でしょう!


だから、チケットを買う時は必ず客席の構造をチェックする。

何列目から段差があるのか。

最前列から緩やかな斜面になっているのか。

千鳥配置になっているのか。


前の方に座ればいいという問題ではない。

前方ブロックに傾斜がない客席で2列目や3列目に座ると、めちゃくちゃ見づらかったりするのだ。(個人的な意見です)

それだったら列を後ろにしても、段差のあるエリアに座った方が見やすい。


たとえ後方でも視界さえ開けていれば、距離なんぞは双眼鏡でカバーできる。もちろん双眼鏡なしで見れるのがベストだけど。(ちなみにわたしの相棒はヒ◯デの双眼鏡)


そんなわけで、わたしは劇場で客席に座るたび、舞台との距離よりも前の人の座高を気にしてしまう。

わたしと同じくらいの身長の人が座ると、心の中で『うぉおおおおおっ!! よっしゃあああああ!! 勝ち確きたあっ!!』と狂喜乱舞する。


ああ、身長を伸ばしたい。

大人になったらもう無理なのかなあ。

とりあえず牛乳飲んどこう。


劇場の客席に座っている時だけ、みんな同じ座高になるような・・・そんなシステムが開発されたらいいな、と思うのでした。

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