recall:気絶

 あれはいつかははっきりとは覚えていない。

 たしか幼稚園だったと思う。

 夏だったような気がする。

 人生で一度ガチの気絶をした。


 あの日は確か両親と家からちょっと離れたところに買い物に行った。

 そこで帰りに夕飯を買い、そのうちの一つを自分が手伝った。

 ちょっと重いけど、両手で持てば全然余裕くらいのもの。

 でも、このときはっちゃけすぎて疲れすぎてたんだと思う。

 下ばかり見て一生懸命運んでいた。

 すると、電柱のようなものに正面からぶつかった。

 自分の意識はそこで途切れた。気絶したのだ。


 気が付くと家のリビングに寝かされていた。

 家族はすでにご飯を食べていた。

 たんこぶが出来てたとそのとき言われた。


 手伝うはずが正面からぶつかり、たんこぶも出来て気絶したというこれぞ本末転倒な話だ。

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