第2話 このお屋敷は(1)

朝、寝床である馬小屋から出たら、まず外に


置いてある水瓶で顔を洗う。


これは私のご主人様である方に対して失礼の


ないようにするためだ。


チャプチャプ、とリーファのミルクティー色の


髪に水がかからないように耳にかける。


ゆっくりと洗っている暇は無いので高速でこ


れを済ます。薄いワンピース一枚しか着ていな


いので寒くて鳥肌がたつ。


自分の身支度を終わらせると、ご主人様のい


るお屋敷に入って掃除をしないといけない。


「おはようございます。」


なるべく明るい声で挨拶をする。そうしない


とご主人様に叩かれてしまうからだ。


「うるさい。この奴隷が!」


バシッと頬を叩かれる。


「あっ…」 


昨日は、陰気臭い、もっと明るく挨拶しろと


言われて殴られ、その通りにした今日はうる


さいと言われる。 


上手く出来ない私が悪いのだといつも反省す


る。なんで怒られるようなことばかりしてし


まうのだろう。


_________もっとご主人様の役に立ちたい。

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