機神巫女

神無創耶

外伝 蒼天の太陽

曇りなき蒼天

荒々しい嵐が如き逆風の中を飛翔する金色の機体が在った。

金色の鏡に似た円形の神器を背負う神の似姿……ウツシミを纏う巫女である私は只管に空へ、空へと上昇している。

『……届かないのかな』

ボソリ、と呟き後方の地表に広がる淤能碁呂街おのごろちょうの風景が小さくなっていく。

アマテラス様のウツシミとなってからずっと目指している場所があった。

『……逢いたいなぁ……』

陽歌ようかー!』

『……ん、ぁ』

太陽の光を反射する機体の光が周囲に神秘的な光景を齎しているウツシミに呼び掛ける声に視点を向けると、金色と若草色の線が入った直刀に似た機体が迫ってきていた。

──風雅ふうかだ、どうしたんだろ?

『なーにー?風雅ー』

『もう時間になっても来てないから心配になって探しに来たんだよ!まあ無事で良かったよ』

少し逡巡して、そういえば今日は大晦日の薬草をしていたことを思い出す。

『そういえば、そうだった

風雅はまったく仕方ないなと笑うようにして優しい声色で言う

『ほら、みんなが待ってるからアタシと行こうぜ、陽歌』

『……うん!いくー!』

クルンとその場で同時に反転し、追い風に背を押されるように落ちて行くように滑空していく。

後方に光り輝く黄金色の太陽は私達を見守る様に優しく照らす。


END

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