第13話 再び執事の部屋へ
幽霊除霊掃除機改め月光石スライムことぷにちゃん付ゴーストジュエル回収掃除機を試し、無事に幽霊を倒せた私達は執事の部屋に向かっていた。
「執事の部屋に行きたいの、案内してくれる?」
とユエさんに言われたからだ。
何故と聞いたら。
「そのレシピ本を執事は持っていたという事は他にもこの屋敷の主だったアリシア・ローランドに関する何かを持ってるのかもしれない。もしかしたら、屋敷を脱出する手がかりが見つかるかもしれないわ」
とのこと。
セバスチャンさんは幼い頃からアリシア・ローランドに仕えていたと言っていた。
幼い頃から仕えているのなら、信頼はそれなりにあるだろうし屋敷の事だけでなく大切な物の管理を任せていた可能性は高い。
セバスチャンさんがアリシア・ローランドのレシピ本を持っていたのも信頼関係かも。
錬金術師にとって錬金術のレシピは命より大切な物。なにせ、自分の研究を書き留めたものなのだから。
そのレシピ本をどうして私に渡したか解らないけど、部屋に行ったら解るのかな?
「ちょっと待って」
執事の部屋に真っ直ぐ向かう中、ユエさんから制止の声が。
ユエさんの視線の先には、デスメイド――顔を刃物のようなもので削られた手には凶器を持ったメイド達がいた。
「ヒッ! なによあれ・・・・・・」
「サラちゃんを襲った奴の同位体ね。まだ居たんだ」
アーサー師匠がデスメイドを見て軽く悲鳴を上げ、ユエさんは冷静に状況を確認している。
確か、私を襲ったデスメイドはユエさんが倒した・・・・・・。あっ! 退散ボールで退けたデスメイド達か!!
退けただけで倒したわけじゃない!! 一時的なものだから時間が経って復活したんだ!!
うわ~、伝えた方が良いよね?
「1,2,3,4、全部で4体。此処は・・・・・・、ノワール!」
デスメイドの件をユエさんに伝えようか迷ってたら、ユエさんは使い魔の黒猫ちゃんを呼んでいた。
またこの子でデスメイドを倒すかのかな?
「いつも通りで」
『にゃ~ん』
鈴のような声で返事をすると黒猫ちゃんはデスメイド達に向かうと首輪に付けた月光石を光らせ、実体化させる。
それにより黒猫ちゃんの存在に気付いたデスメイド達は黒猫ちゃんに襲いかかるが黒猫ちゃんはひょいっと華麗に躱していく。
「・・・・・・もういいかしら」
ユエさんはそう呟くと銃を取り出し、一発発砲した。
その一発は綺麗に4体のデスメイドを貫き、デスメイド達はゴーストジュエルを残して消えていった。
「いっちょ上がりと♪」
「ほ~、黒猫で誘導して狙ったってわけ?」
「まあ、そんなところよ」
4体のデスメイドを一発で倒せる瞬間を狙って撃ったの!?
師匠もユエさんの手腕に感心してる、凄いなユエさん。
もうユエさん一人で良いんじゃね? 戦闘経験のある師匠はともかく私はお荷物じゃね?
でも、折角、ぷにちゃん付除霊掃除機作ったんだからそれなりに私だって活躍してみせる!!
「お~い、サラ~! 置いてくよ~」
「今行きます!」
先ずは置いていかれないようにしよう。
「入って大丈夫よ」
ユエさんが安全を確認してからセバスチャンさんの部屋に入る。
相変わらず埃臭い部屋。
セバスチャンさんが連れてきてくれた時は綺麗な部屋だったんけどな~。
セバスチャンさんの力で綺麗になってたのなら、セバスチャンさんって何者なんだろう。只の執事幽霊じゃない気がする。
それぞれ別れて、部屋の中を散策する。
ユエさんは本棚、師匠はタンス、私はベッド近くを。
ベッドの近くに日記とか置いてないかな~と探してたら淡く光る時計を見つけた。
「なんで光ってるの?」
師匠とユエさんを呼ぶべき所なのに、私は惹かれるように光る時計に触れた。
その瞬間、グラリと視界が反転。
気がつくと私の目の前には。
「セバスチャンさんと・・・・・・、誰?」
セバスチャンさんと見知らぬメイドが居た。
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