隣の席の花楓さんは、世界の全てを見透かして
内村一樹
第1章 裁ちバサミ
第1話 きっかけ
私が
そう問いかけられたら、迷うことなくあの日のことを
それはもう、
高校1年生の夏休みが終わって、
私は、教室の
夏休み前に、私が彼女に対して持っていた
とまぁ、そんな
クラスで一番モテるって
だけど、それはあくまでも付き合っている間だけの話。
夏休みの間に何があったかは
どうして私がそんなことを知っているのか。
朝、教室に入った時から、
聞きたくもないから、トイレに行ってたんだよね。
だからこそ、かわいそうだと思う。
きっと、
……泣いてるのかな?
次の瞬間。
私は彼女が手に持っているモノに気が付いた。
それは、大きな
何をするつもり?
そんな
「佐藤さん……?」
思わず発してしまった私の小さな声に、
そして、手にしていた
「死ねぇ!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
あまりの出来事に、私はその場に立ち尽くしてしまう。
教室からは、
「え……どういうこと……?」
逃げ出したい
本当は、教室の中なんて見たくない。
そんな
気が付いたら、
それはある
もしかして、
そんな
「
「はぁぃ!?」
私達1年2組の
「先生!! た、大変なんです! 早く! 早く中に!」
「どうした? 何でそんなに
そう言いながらも、私の横を通り抜けて教室に入っていく田中先生。
そんな彼の後に続いて教室の中を
「へ?」
「へ? じゃない。早く席に着きなさい」
「……は、はい。すみません」
明らかにおかしい。
いや、クラスの皆はいつも通りで、特に
それが、それこそが明らかにおかしい。
だって、さっき、
それどころか、
周囲にばれないように、周りの様子を
そうして、ふと
引き出しから、さっきの
そう思った直後、私はそれが
気が付く?
うん、言い方が合ってるかは分からないけど、
だって、もう
そう考えながら、なぜかウルサイ心臓を落ち着かせるために胸に手を当てた時、
そんな彼女が、私を覗き込むような視線を向けて来る。
「
「……別に、何でもないよ」
「そっか」
そう言って笑った彼女の表情に、どこか
なんて、ちょっと引っ
今から思い返せば、それも変なんだよね。
だって、そうでしょ?
クラスで一番注目されてたカップルが別れたんだよ?
そんな大事件があれば、普通は当分の間、話題になるはずだよね。
おまけに、
多分これも、彼女の
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