9-7

 学校が始まるので、私は帰ってきたのだけど、コウは生産者の所に出張中だった。授業も少しずつ対面が増えてきていた。早速、岬と駅前で待ち合わせをして


「どうなの? コウさんとは?」


「うーん 彼 出張中で会えてない」


「そう 寂しいネ だけど、私が居るからネ」


「やめてよー まぁ そうなんだけどネー なんか 岬とだと 背徳感がある」


「そんなの 古い考え方 規定概念だよ」


「あっ 岬 正当化しようとしている だけど 違うのよ 私の場合は・・・コウとのこともあるから・・」


「だって しょうがないじゃぁない 私はミミのことが好きなんだからー」


「うーん 私もなんだけどネ どうしてなんだろうなぁー ねぇ 灯ちゃんは元気? もう 追い込みでしょ?」


「そうなんだよ あの子 何かにとりつかれたみたいに、学校から帰ってくると、部屋にこもってネ 何となく、眼もくぼんだ感じなのよ お母さんも心配してるの あっ そう あの長い髪の毛 切っちゃった 邪魔だからって すごく短くして 私みたいに刈り上げまでいってないけどね」


「へぇー さすが 灯ちゃんだねぇー 碧も、なんか真面目にやっているみたいよ」


「そうなんだ まぁまぁ 器用そうな子だから、なんとかなるんじゃぁない」


「まあー 気楽な言い方 あれでも、私の可愛い弟なんですからね! うふふっ」


「うふっ だよね そーいえば 想い焦がれた彼女とは どうなったの?」


「どうだかね そんなに ラブラブって感じじゃぁないからー そんなに会ってないみたいよ 向こうのお母さんが厳しいみたいで 二人っきりのデートもダメなんだって」


「そうなのー 厳しいね でも、真面目そうな娘だって言うから 受験終わるまで ほっておいても大丈夫よ 碧君も」 


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