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 結局、碧も最後の大会と言っていた県民大会が近いということもあって、璃々香ちゃんにお母さんが反対してるからと、動物公園でのデートは断られていたみたい。それと、肝心の試合は、又、2回戦で早々と負けていた。璃々香ちゃんは準々決勝まで進んだが、やっぱり突破できなかったみたい。


 私は、8月の末にコウの実家に来ていた。莉子さんは出産が近いので、あんまり無理をしないで動いていた。もう、ますみさんと舞佳ちゃんに任せているという感じだった。


 そして、お休みの日、舞佳ちゃんにバーベキューに誘われていて、今度は断り切れなかった。車に乗って、舞佳ちゃんと3人の男の人が迎えに来てくれて、向かった先は山間の河原の側でバーベキュー場になっている所。だけど、水際のジャリ石にまで降りて、他にも何組かが火を起こしていた。早速、男の人達が準備を始めて、私達は見ているだけ


「莉子さんから 釘を刺されちゃった お預かりしている大事な娘さんだから 変なことにならないようにネって」


「そんなぁー 大事だなんて」


 準備が出来て、お肉を焼き始めると、飲み物が渡されて「車で来ているのにビールなんて」と、思ったら皆がノンアルだった。そして、話していると、見た目と違って意外と真面目そうな人達ばっかりで、私は安心していた。


 だけど、3人の中のひとりと舞佳ちゃんは、妙にじゃれぁったりしているのを見ると、多分ふたりはお付き合いしてるんかなって感じていた。そして、この人達はコウのひとつ上の先輩らしかった。


「ねぇ ミミちゃんは コウと付き合ってるんケッ?」


 なんで知ってるのー 私は、舞佳ちゃんのほうを このおしゃべり と睨んでいたけど、彼女は知らんぷりしていた。


「あいつ 高校の時 勉強出来て、運動も・・見た目も悪くなかっぺっ? けっこうもててな だけど、女と付き合っても、片っ端から別れててな それも、いきなりだっぺ、その振った女から、恨まれててな 何人かに悪口もけっこう言われとった ミミちゃんも、あいつが振ってきよったら、俺と付き合ってみるべぇーやー」


「そんなー 親切な方ですよー」


「そんなの 最初だけだっぺ まぁ 別れたら、俺んとここいやー」


 私は、そんな話に嫌になって、短パンで来ていたので、川ン中の浅い所に入って遊んでいた。だけど、その夜も少し気になっていたのだ。確かに、私に飽きられたらどうしょうかと・・。 


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