7-7

 春休みは短くて、授業が始まる前に早々に帰ってきたけど、璃々香ちゃんの学校帰りに駅前のクレープのお店で会うことにしていた。茉莉ちゃんも一緒に来ていて


「私 初めてなんですよ こういうお店って」


「そーなの 璃々っぺって お嬢様で 母上が厳しいの」って、茉莉ちゃんが言っていた。私は、すこし、びっくりしていた。そーいえば、割と上品な雰囲気があるなつ思っていた。


「そうなの ごめんなさいね こんなとこ呼び出したりしてー」


「あっ いいんです 今日は特別 ミミさんだからー」


「そっかー どう? ふたりとも 念願の学校は」


「いいですよー 早速、白岩灯先輩が話し掛けてきてくれてー ミミさん話しておいてくれたんですね」


「そうそう 面倒みてあげてって」


「だけどね クラブ ソフトに誘われたんです だけど、茉莉と、もう一度、バドミントンやろうって決めていたから・・ 悪いことしたかなー」


「それはそれで 仕方ないんじゃぁない 中学もやってきたんだものねー」


「でも・・ あの人は スポーツもできて美人でしょ なんか緊張しちゃって ミス 一女って言われてるんでしょ だからー」


「まぁ 他の男子校の連中の間では 人気あるみたいよ でも 私の弟と土曜日には一緒にランニングしてるみたいよ」


「へぇー 弟さんと付き合ってるんですか? 白岩先輩」


「ううん そんなんじゃぁないのよ 私の親友の妹で 昔から顔見知りでね 家も近いから」


「そうだ 弟さんも バドミントンやってるんですよね」


「ウン 今 3年生 璃々香ちゃんも 顔ぐらいは見たことあると思うよ 弟は璃々香ちゃんの試合は見てるだろうから」


「わぁー うれしいです 今度 教えて欲しいなぁー 強いんでしょ?」


「そんなことないのよ いつも2回戦ぐらで負けてると思うよ いつも天敵にあたるんだって」


「そうなんですよー トーナメントだから負けると終わっちゃうんですよーネ 私もいつも同じ人に負けて 上に行けないんです コーチは精神的に弱いからだって言っていたんですけど その人とやると頭ン中で勝てる気がしなくって・・ だから、男の人と練習してると違うカナって 高校に入ったら 勝ちたい 多分 向こうも高校でも続けてるだろうから ねぇ ミミさん 弟さんに話してみてー なっ 茉莉」


「ウン いいかもね 今度のクラブのコーチがどんな人かわかんないけど・・」


「うっ うん 話してみるけど 璃々香ちゃんにとっては 感じ悪い男かもわからないよ」


「ミミさんの弟さんなら 安心できると思うし 構いません お願いしま~す」


「うん まぁねー 少なくとも 危険な男じゃぁないからーナァ」


 でも、心の中では碧に対して姉としての精一杯の義務は果たしたよって、少し安堵していたのだ。

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