最強(ルーク王子視点)

 俺は最強だ。


 生まれてすぐに言葉を話し始め、その半年後には文字すら読めるようになった。


 生後半年から魔法の練習始め、5歳には中級魔法を使いこなし7歳になるころには上級魔法を使いこなし宮廷魔術師にも勝てるようになった。これには首位も驚いていた。


 次に周りを驚かせることになったのは剣術を始めた時だ。圧倒的な力で雑魚どもをなぎ倒し、剣術を始めて1年間で騎士団長にさえ勝てるようになった。


 ちょっと勉強すれば宰相よりも良い案を何個も出せるほどの頭の良さを発揮した。


 周りには神童と呼ばれ崇められた。


 父である国王さえも俺の実力を認め自由に使える部下をくれた。


 俺の周りは全部モブ雑魚俺こそが主人公最強だった。


 しかしそんな俺に悲劇が起きた。


 部下を平民の女にけしかけて、そこをかっこよく助ける、すると女は俺に惚れる。


 そんな遊びをしているところに邪魔が入ったのだ。


 そいつは最強である俺の言うことを聞かないどころか逆に文句を言ってきた。


 正直その場で切り殺してやりたかったが王都の民が見ている目の前で殺すのはまずいと思い後で暗殺することにすることにした。たかが平民程度暗殺するのは簡単だ。その時は簡単にこなすことが出来ると信じていた。


 しかし、そうはいかなかったあいつは辺境伯家の人間だったのだ。こうなってくると暗殺は困難になってくる。


 そこで俺は明晰な頭脳を持って考えた。


 奴は辺境伯家の人間だ。つまりあいつは俺の誕生日パーティーに来ることになる。ならばそこで決闘をすればいいのだ。さすがに殺すのは難しいだろうがもう二度と俺に歯向かおうと思えないくらいにボコボコにしてやればいい。


 そう思っていた。


 しかし、この計画もうまくいかなかった。


 あいつがずるをしてきたのだ。


 文句を言ってやろうかと思ったがあいつは俺が気絶から目覚める前に帰りやがった。


 このままでは俺が舐められたままで終わてしまう。


 そこで俺は明晰な頭脳を持って再び考えた。


 冒険者ギルドは王家が管理している組織だ。


 そこに圧力をかけて奴の領地に支払わなければ出ていくと脅し、支払う金額を10倍にさせよう。

 

 冒険者ギルドは対魔物防衛の生命線だ。10倍は増税だけでは賄いきれない。あいつらは貧乏暮らしになるに違いない。


 ずるをした対価として貧乏生活。まぁざまぁって感じだな。


 じゃあさっそくこの作戦を開始するか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る