第37話

 午前中の探索では見つけられず昼食を食べ終わった俺たちはまたクリスタルキングクラブの水晶片を探す探索を再開した


 「ルーツの町側の砂浜に行くよ」


 『分かりました。あるじ様』


 『またです?』


 「今日は見ていないからな」


 クォーツ湿地帯を進みながら砂浜まで進んだ。砂浜に着くと膝下まである浅瀬を探索し始めた


 クォーツ湖の砂浜にある浅瀬はかなり広く探索にも一苦労だ


 現れるモンスターを倒して行きながら浅瀬よりも深い水場ではシェーレがクリスタルキングクラブの水晶片があるかどうかを見てきて貰いながら探索をしていった


 浅瀬が終わり深い場所が多くなって来た頃一抱えしそうな大きなひび割れた水晶が水の中から顔を出しているのが見つかった


 『アル!あれじゃないです?』


 『多分あれが探していた水晶片でしょう』


 「みんな早く行くぞ!」


 クリスタルキングクラブの水晶片らしきひび割れた水晶に近づいていくと俺たちよりも早くその場に居たであろうミズヘビが何かを食べていた


 だいぶ近くまで行くとミズヘビはひび割れた水晶から割れて落ちた水晶の欠片を食べているのが見えた


 「おい!あのミズヘビ!水晶を食べているぞ!」


 『あるじ様、急ぎましょう』


 「分かってる!」


 『先に行くです!』


 先に先行したユキが水晶に近づいたその時ミズヘビから眩い光が放たれた


 眩しい光に俺たちが目を眩ませていると光が収まったその場には全身が水晶の鱗で覆われた四〜五メートルのサイズの大蛇がそこに居た


 「シャアアァァァァアァァアッッ!!!」


 大蛇が身体を起こして叫び声をあげた


 俺たちが一瞬動きを止めていると水晶の大蛇はまだ残っている水晶を食べようとしているのを見てクォーツ湖の水を利用して拘束魔法を使い大量の水の鎖で水晶の大蛇の動きを止めた


 「戦闘用意をしてくれ!俺は水晶を取ってくる!」


 そう言うと全身から放出した魔力を圧縮しながら纏わせて水晶に向かって走っていく


 「よし水晶を確保できた!」


 『アル!危ないです!!』


 『あるじ様!!』


 水晶のある場所まで着くと急ぎ水晶を収納魔法の収納空間に収納しているとユキとシェーレの声を聞こえると既に拘束から抜け出した水晶の大蛇が尻尾を振るってくる


 振るわれた水晶の大蛇の尻尾を避けることは出来そうになく思考を加速させた俺は魔法でクォーツ湖の水を使用して俺と尻尾までの間に壁を複数作り出していく


 勢いよく振るわれた尻尾の攻撃は容易く水の壁を突破していき俺の前まできた。水の壁のお陰で少しは勢いが減った尻尾の攻撃を更に制御が難しいほど魔力を放出して纏い硬化して防御する


 硬化した魔力と水晶の尻尾がぶつかったガァンという音が辺りに響きながら俺は空中を舞った


 「ぐはぁっ!!」


 『アル!』


 『あるじ様!』


 俺はユキやシェーレたちを飛び越えながら浅瀬を転がっていく


 「……うぐぅっ」


 骨は折れていないが全身を打った痛みを我慢しながら回復魔法を使って身体を癒しながらこちらに敵意を剥き出しの水晶の大蛇を魔法を使用して調べる


 調べた結果あの水晶の大蛇はクリスタルウォータースネークという名前でしかも暴走しているようだった


 「シャアアァァァア!!!!」


 浅瀬の砂を削りながらユキやシェーレに迫ってくるクリスタルウォータースネークを止める為に先ほどのようにクォーツ湖の水を利用した壁と鎖を使用して動きを止める


 『アル、大丈夫です?』


 『あるじ様、大丈夫ですか?』


 「ああ、回復したし大丈夫だ」


 もう大丈夫な事を二人に教えてあげていると身体を拘束している水の鎖を引きちぎった


 鎖から解き放たれたクリスタルウォータースネークから魔力の高まりを感じた


 『あのキラキラしている蛇からすごい魔力を感じるです!!』


 『何をする気なのでしょうか?』


 「分からないけどやばいぞ!とにかく防御を固めるぞ!」


 

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