あとがき(ネタバレ)
気づいたら、獣人も人間も王様が「めんどくさい」って言ってる……やっべえぞコレ! ってなりました。
無事終わってよかったです!
はい。わたくし恒例のネタバレあとがきです。こんにちは。
最後までお読みいただき、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
さて。
前の魔王は、争わないために隔離しろと言い、今の魔王は隔たりこそが災いだと言いました。
大いなる矛盾ですね。
私の超勝手な個人的意見ですが、争いっていうのはお互いの『無理解』から始まるんじゃないかなあと思っています。
一会社員として、いろいろな国の方とお仕事をする機会があるんですが(北米、EU圏、インド含むアジア圏)、カルチャーギャップやバイアス(偏見)、こうあるべき論は本当に危険です。言葉の壁以上に。お互い英語が第二言語の場合なおさらです。意図せず、そんな実体験を交えたお話になった気がします。
そして、白状します。
もともと、このお話はカクヨムの「お仕事中編コンテスト」に向けて書きました。
ツイッターで、フォロワーの皆様が参加されていたので、ノリで。
ほんと、軽いノリでした……
ちゃんとしたプロットがあったのは、第10話『癒しの泉』まで、です。コンテストの締め切りも、そこまで。
序盤も序盤やないかい! (セルフツッコミ)
つまりは、ノープラン・ノープロット。ほぼ書き下ろしです。すんませんっしたぁ!!(全力五体投地)
だってアクイラ(黒鷲)とかパンテラ(半分豹)とかの名前、ただの鷲、豹、ですもんねっ。
個人的なことですが、私はまだ執筆経験が一年しかありません。
あえて、色々な書き方をしてみようと試みているところです。人称やジャンルを変えてみたり、中編を書いたり、短編を書いたり。
ノープラン・ノープロットは、実は初めてではありません。『薔薇魔女』の帝国留学編は、毎日行き当たりばったりの書下ろしでした。ただし、それは書き慣れたキャラたちで、という大前提があってのこと。
長編まるごとノープランは初めての試みでした。良いか悪いかはさておき、私にとって非常に良い経験になりました。
これもすべて、読んでくださる皆様のお陰です。感謝しかありません……!
ノープランといっても、作品テーマはありました。
もふもふ通訳は、言語と種族の隔たりがもたらした世界の終わり、です。
大いなる力を持った人が持つ偏見と思い込みは、世界をすら滅ぼす。杏葉が転移したときには、すでに末期状態からのスタートでした。
魔王となったマードックは、こじらせエリートがイメージです。
周りに一人はいらっしゃると思います。この俺様が正しいことをしてやっているのに、受け入れないとはどういうことだ! ならば、全て滅ぼしてしまえ! 系。あ、いませんか、そうですか……私の周り、濃いぃですからねぇ(カクヨムのエッセイご参照)。
時々ニュースにもありますね。別れ話がこじれて悲劇が起きてしまう。
どうしてそうなった? は、結局受け入れて欲しいってことかなあと想像しました。
だから、実際は大事に思ってくれる人がいたって分かって、あっさり納得してしまった、となりました。彼、賢いですからね。
そしてセル・ノアは、親からの承認欲求に飢えた子供、です。悲劇にあっても、見向きもされなかった父親への。
ただそばにいて、抱きしめてあげたらそれだけで良かった。
瀕死の子供! と、本能で助けたのは、そういうことでした。彼にとって、実は種族うんぬん関係なかったんですね。
杏葉は、保険金にたかる親族たちに心底疲弊していて、さらにすがった将来の夢さえ理不尽に奪われて、絶望の淵にありました。
強い意思はマイナスに振れると、大変なことになります。
精霊の元締め(!?)になっていた前魔王に目をつけられちゃいましたね。
一生懸命すぎて、私も心配になりました。ガウルさんに出会えて本当に良かったね、と思っています。あともふもふ。
そしてガウルさん。
私にしては珍しく、正統派スパダリになりました。ポンコツヘタレヒーロー好きの性癖は、出てきませんでしたね。
たまにブランカに説教されるくらいでしょうか。ブランカさん強し!
貴族である自分が嫌で。ただ友達を探すために鍛えたら、騎士団長になってしまって、それも嫌で。
純粋に自分を自分として見てくれる人はいないのだろうか、と思っていたんですね。だから、幼馴染のアンディのことが好きだった。純粋に友達だったから。そんなガウルのことを、杏葉は下心なしにそのまんま大好き! と言ってくれた。貴族でも団長でもなく、ガウルだから。ガウルさん(なぜかさんづけしてしまう)も、杏葉に会えて良かったね、と思います。
ダンさんとジャスパーは、お気に入りコンビです。
葉巻の髭オヤジと、若干ヘタレだけど仕事できる若造。疑似親子でもあり、コンビでもあり。
ダンさん、もう少し活躍させてあげたかったなあ。娘を嫁に出しすぎオヤジになってしまったのは、気のせいだろう。
リリとクロッツ。
気まぐれ猫(元奴隷)と、サイコドーベルマン(エリート貴族)。なぜかリリに頭が上がらないクロッツ。そのパワーバランスが気に入っています。
実はクロッツ、初対面でリリになめた態度とって、顔面を爪バリバリされてます。貴族の自分にそんなことをする獣人はいなかったわけで。プライド即へし折られ目が覚め、サイコだけ残りました(おおぅ)。微妙に空気読まないので、基本的に無視される人です。情けない遠吠えばっかりさせてゴメンネ。最後ほら、遠吠えも役立つって風に書いておいたから。許してね。
リリは、実力だけでのし上がってきたので、獣人騎士団では一目置かれています。誰かが口説こうとしても、先に感情読まれるので、逃げられておしまい。
ハスキーと戯れる茶虎猫の動画を見て思いついたキャラです。小さな頃は、ガウルさんにゴロゴロしていたらしいですよ(言うとキシャーッて怒る。多分照れ隠し)。ジャスパーのことは、ヘタレだけど一生懸命で優しいので、初対面から大好きでした。あと彼には下心がなかった。能力を利用しようと近づいてくる奴しかいなかったリリにとって、純粋でいい匂いがする存在が見つかってよかったなと思います。幸せになってね。(ジャスパーは大人しく尻に敷かれよう)
レーウ陛下は……やっぱり自然とこうなる運命なのですね。
ちゃんと威厳のある金獅子王にしようと思っていたんですよ(最初はね)!? 余は~とか言わせましたし!
でも、ウズウズしてきちゃいましたよね。暴れるライオン、見たかったですよね。ね。ね?
サファリパークでも永遠見ていられます、ライオン。メスハーレムのど真ん中でおなか出してひっくり返っているのを見ると、これぞ王様! ってなります。
ランヴァイリーは、一風変わったエルフでした。最初はガウルさんのライバルにしたかったんですけど、ガウルさんが強すぎてならなかったです。残念。
心が動かない長寿のエルフにとって、感情を波立たせる杏葉は希少で、物珍しかった。可愛い、楽しい、なんて何十年ぶりに思ったかな? という感じで。
ガウルと杏葉の子孫をずっと見守ってくれる存在になると思います。
杏葉たちの旅は、まだまだ続いていきますので、心の中で応援してくださったら幸せです。
そして、もしよかったら、お気に入りのキャラを教えてくださいね。
(金獅子レーウ陛下、人気高そうだな~!)
今後番外編として、
クロッツがガウルさんを大好きになった話
セル・ノアと少年のその後
を予定しておりますので、どうぞお楽しみに。
ではまた、どこかで!
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