第514話 お城の自慢アイテム
昨日はお風呂もいただかずに寝てしまったので、まずは朝食の前にお風呂に入ることにした。ちゃんと部屋の中でも排水出来るお風呂を作ったんだよね。これはお城の自慢だ。
排水されたお水は1箇所に集めてためて浄化して、また使えるようにもしたから、実際には一切お水が無駄にならない仕様なんだ。
天空のお城から排水するとか、なんか申し訳ないなあ……。畑にまくとか出来るようにしたほうがいいかなあ……って考えてたら、こんな風になってたんだよね。
お湯を温める魔道具もちゃんと設置されてるから、お湯が冷めても温めなおしだって出来るんだ。叔父さん喜んでくれるかな。
そのうち引っ越してもらわないとだしね。
お風呂から出て、髪の毛を乾かす。これも専用の魔道具を設置した。壁から温かい風が出て、髪を乾かすことが出来て便利なんだ。
バルヒュモイ王国の人たちに準備されていた服に着替えて部屋を出ると、王妃の部屋から出て来た、同じく風呂上がりのヒルデと遭遇する。ほんのり色付いたヒルデの肌は、なんだかとっても色っぽくてドキッとした。
「ア……、アレックスも今出たとこなのね。
朝ご飯、食べるでしょ?」
「う、うん。行こうか。」
宴会場には既にスウォン皇国の人たちが集まっていて、食事を楽しんでいるところだった。昨日は訓練してそのまま帰らずに、お城に泊まったみたいだね。
バルヒュモイ王国の人たちが、客室の準備をしてくれたみたいだ。一応その可能性も考えて、ベッドとかの用意はしてあったけど、シーツとかは敷いてなかったんだよね。
「おはようございます。」
「おはようですぅ〜。」
「朝ご飯美味しいですぞ!」
「アレックス、あのお風呂なんなのにゃ!」
エルシィさんが食い気味に、椅子から立ち上がって僕に尋ねて来る。
「ああ、あれですか?いいでしょう?客室も便利になるよう、作っておいたんです。」
「あの目の前にいるだけで毛を乾かすやつ、うちにも欲しいのにゃ〜。いっつもお風呂上がりは、獣人は苦労するにゃりよ。」
確かに、全身の毛を乾かすんだものね。スウォン皇国でも、みんな時間かかってたな。
「じゃあ、一般販売出来るようにしておきますよ。この城を作る時に開発したんです。」
「スウォン皇国国民が、たぶん全員買うと思うよ?たくさん作っておいたほうがいいよ。
たぶん真っ先にクローディアさまかな。」
「わかりました、ただちょっと時間をくださいね、先にやることがあるので……。」
工房の調整もしないとだしね。
僕とヒルデは並んで椅子に腰掛けた。
既に準備しておいてくれていたのだろう、椅子に座ってすぐに、目の前に朝ご飯のお皿が置かれた。バルヒュモイ王国の朝ご飯は、フルーツが多めなんだね。珍しい料理だな。
「フルーツを使った料理なんて初めて!
でも、結構美味しいわ。」
ヒルデも気に入ったみたいだ。
「私たちドラゴンは、花の蜜や果物が好きな種族も多いんですよ。肉も魚も食べますが、朝は花の蜜や果物が欲しいですね。」
リニオンさんもそんなこと言ってたなあ。
「ドラゴン!?え!?どういうこと!?
この人たちって、ドラゴンなの!?」
ヒルデが朝ご飯を持って来てくれた従者の女性を見て驚いている。
そういえばリニオンさんが来た時に、特に一緒に連れて来た従者の人たちがドラゴンだって、しっかり説明しなかった気がするな。
「うん、ドラゴンの国、バルヒュモイ王国から来てくれた人たちだよ。バルヒュモイ王国は、人型になれるドラゴンの集まりなんだ。
だから高位のドラゴンだね。」
「え?だって、ドラゴンって、人間を食べるんでしょ?花の蜜や果物が好きって……。」
恐ろしいものを見るようにヒルデが言う。
「それは人型になれないドラゴンですね。私たちは竜人の先祖に当たる存在ですので。自分と同じ姿の生き物は食べませんよ。」
従者の女の人がクスリと笑う。
「そ、そっか、それもそうね……。」
言い分に納得したみたいだ。
「あ、ラーラさん、そう言えば、今日、レンジアが来ますよ。」
「レンジア?」
ラーラさんが不思議そうな顔をする。
「僕がラーラさんの娘さんにつけた名前ですね。彼女が今日来る予定なんです。」
前に説明した気がするんだけど、忘れちゃったかな。まあ、人の名前って覚えるの、僕も苦手ではあるけど。
「そうか……!
あの子とようやく会えるんだな。」
「それなんですけど。」
「なんだ?」
「レンジアに、会いたいか聞いてみてからにしようと思っているんです。」
「なぜだ?」
ラーラさんが困惑している。
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またしばらく間が空きました。
申し訳ありません。
食べたものが何かアレルギーになってしまったのか、夕飯を食べた30分〜1時間後に、突然全身が痒くなってしまって、次の日痒みを抑える点滴と、飲み薬と塗り薬をいただいたのですが、今日現在まだ治ってなくて。
特に手足がパンパンに腫れて、何も出来ませんでした……。
血液検査の結果、アレルギーが起こりやすい主な食べ物にはアレルギーが該当しなかったんですが、調べた食品は食べたものの中に殆どなかった為、原因がわからず、また出るたびに治療していく他ないと、お医者さまからは言われてしまいました。
火曜日の夜からずっとなのに、まだ全然痒くて、土曜日も痒みを抑える点滴をしてもらったような状況なので、また新たに発症したらと思うと、食事をとるのが怖いです……。
その間何も出来ずに、ひたすら動画見て時間が経つのを待ってました。
秋山歌謡祭見て、タイタニックを見たことがないのに、友近さんと秋山さんのパロディー映画を見て。
最後は秋山さんが脳内でディカプリオに補完されたくらい、面白かったですね。
かなり忠実に再現されているとコメントにあったので、なるほど、こういう映画かと。
パロディーなのにめちゃくちゃ凝ってて、笑えるし、ちゃんと心臓がキュッとなるし、ぜひ一度見て欲しいですね。
痒みも一瞬忘れるくらい、1時間あっという間でした。
「船と氷山」という作品です。
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