第460話 嫌い、嫌い、嫌い。

「オフィーリア嬢に婿を取らせて王位を継がせる話です。オニイチャンのことも、皇太后が可愛がっている錬金術師と結婚させて、取り込もうとしていたわけですし。」


「ああ、なるほど……。」

 だから僕は王命でルカリア学園に入れられたし、ヒルデのこともあったから、ミーニャとの結婚を急いだところがあるんだよね。


 さすがに既に結婚している人を他の人と結婚させるなんて無理だしね。ましてや僕は既に他の国の国王だ。国王の結婚に、他国の王族が口出しなんて出来ないし。


 と、それと同時に、ヒルデに王妃という地位を与えることが出来て、ヒルデを守ることにもつながるわけだしね。


「でも、さすがにそんなことするかなあ?だっていくらなんでも、オフィーリア嬢じゃ血が遠過ぎるし、国王さまや、上位貴族の承認だって必要でしょ?認めるとは思えないよ。」


 皇太后さまがルーデンス王太子を認めなかったとしても、オフィーリア嬢を国王さまや上位貴族たちが次代の王として認めるかは、また別の話になってくるからね。


 まあ、上位貴族たちが、オフィーリア嬢に自分の息子を王配として送り込もうと考えてたら、話は別だけど……。特に今の上位貴族は、令嬢の数が少ない傾向にあるからね。


 自分の子どもを王配として送り込めるかもってなったら、両手を上げてオフィーリア女王に賛成する貴族も出て来るかも知れない。


「──いいじゃないか、それ。」

 ガレシア兄さまが突然話を切ってくる。

「え?」

「今アレックスが考えていたことだよ。」


「どれですか?」

 僕の心を読んだのかな?たぶん。

「オフィーリア嬢を女王にして、この国の国王をすげ替えちまおうって話さ。」


「え、えええええ!?

 ぼ、僕は別に、すげ替えようとは思っていませんよ!?ただ、可能性のひとつとして、そういうこともあるかなって思っただけで。」


「アレックスを愛するオフィーリア嬢が女王になるのなら、リシャーラ王国に神罰を与えるのをやめてやってもいいな、うん。」


 シレッとそう言うガレシア兄さま。

「なってもならなくても、与えないでくださいよ!国が崩壊します。」


「そうね、そのほうがアレックスに対する信仰が集まりやすくもなるわね。アレックスの神力を高めようと思ったら、信仰してくれる国の数は多ければ多いほどいいもの。」


「ミボルフィア姉さままで……。既にドラゴンの国であるバルヒュモイ王国が、僕を信仰してくれてますし、無理に高めなくても、そのうちどんどん増えていきますよ。」


「英雄を育成する為には、アレックスの神力は高ければ高いほどよいのだ。

 別に悪い話でもなかろうて。」

 レスタト兄さまがそう言ってくる。


 だからって、オフィーリア嬢を女王に!?

 なんだってそんな突飛な話になるかな?

「そう非現実的な話でもないわよねぇ。

 そうしないと国が滅ぶってなったらぁ?」


 エリシア姉さまがおっとりと、顎に人差し指を当てて上目遣いに天井を見るかのような仕草をしながらそう言った。


「脅す気ですか?兄さま、姉さまたち。」

「ふふふ〜ん。」

 両手の拳を握って肩の高さに上げながら、エリシア姉さまはニッコリと微笑んだ。


「めったにやらないことだけど、“選ばれしもの”を使えば、僕ら全員ぶんの信託をくだすことは出来るからね。」

 マルグス兄さまがニヤリと笑う。


「全員ぶんの信託だなんて、2000年ぶりだな!それこそ私たちがつかわした聖女を殺した国々に、神罰を与えた時以来だな。」

 とディダ姉さまが楽しそうに言った。


「ね、ねえ、アレックス……。

 あなたのお兄さんたちって、ひょっとしてリシャーラ王国を滅ぼしたいんじゃ……?」

 ヒルデがコソッと耳打ちしてくる。


「そ、そうかもしんない……。」

 むしろ楽しんでる気すらしてくるよ。

「兄さまたち、ひょっとしてリシャーラ王国が嫌いですか?」


「嫌いだ。」

「嫌いね。」

「う〜ん、嫌い!」

「まあ、嫌いだよね〜。」

「……嫌いですね。」

「嫌っておる!」

「──逆になぜ好きだと思った?」


 ガレシア兄さま、ミボルフィア姉さま、エリシア姉さま、マルグス兄さま、スローン兄さま、レスタト兄さま、ディダ姉さまが、かぶせるように、次々にそう言ってくる。


「な、なぜって……。母さまをはじめとして、人間の世界を均等に守っているんですよね?特定の国だけ嫌いというのは……。」


「アレックスの扱いが悪いからだ。」

「そうね、国というより、王族と貴族?」

「神は寵愛する人間もいれば、嫌いな人間もいるのよぉ?別に不思議じゃないでしょ?」


「ね、ねえアレックス……。うちの国ってひょっとして……、つんでない?」

 心配そうにそう言うミーニャに、僕はそんなことないよとは言えなかった。


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もう1話くらい更新頑張りたいです汗

キリカがアレックスの頭の中で考えていたことを知れたのは、兄弟神がコッソリ教えたからですね。キリカは心を覗けないので。



以下、都知事選の感想。


普通に小池さんが勝ちましたね。

事前投票率がかなり上がっていたので、何十年かぶりの7割超えもあるかな?と思っていたのですが、当日の投票率はむしろ夕方の時点で前回よりも下がっていたとのことで。


その時点で、あー、小池さんが勝つな、と思っていました。

他の候補者が勝つには、おもに無党派層と呼ばれる、普段投票に行かない人の票が大量に必要だという話でしたし。


暑かったからかなあ。

40度超えの地域もあったそうで、いい加減他の国のように、温度によって学校や仕事での外出禁止にしたほうがいいんじゃ?と思うこの頃です。倒れる人出まくりますよ……。

死ぬ人大量に出ないと変わらないのかな。


メディアがあまり取り上げないのもそうですが、選挙当日に、選挙当日です!と案内する車が走らないのって、初めてかも……?

なんだか不思議な選挙でした。


都知事選前の都民の知名度が15%だったという石丸伸二さんが、地盤のある蓮舫さんを抜いたのは凄かったですね。たかだか20日もない選挙戦での結果ですからね。


でも、選挙の神さまがついたり、最初は話題性がありましたが、だんだんとネットでは蓮舫さんを目にする機会が増えて、少し尻すぼみだったかも?蓮舫さんを応援している人の1人街頭演説みたいな活動のほうが、目に付く機会が多かったですね。


あれはなかなか印象が良かったと思います。

応援されている感じがありましたし。

思いつきで話されているのかな、と感じる部分もありましたが、都知事選前より印象が良くなったと話している人もいて、今後国政に戻るにしても、今回の都知事選は蓮舫さんにとってプラスだったのではないかなと。


政治家経験がなくても、知名度のある人に入れがちな東京都民ですので、もっと石丸伸二さんの知名度があったら地盤がなくても、小池さんを抜いていたかも知れませんね。

まあ、投票率が75%くらいないと、それでも固定票には勝てないかもですが。

小池さんの固定票、300万らしいですし。


個人的には小池さんの選挙演説の際のヤメロコールが印象的で、あれをすべての会場でやられていたら、有力候補の演説シーンを、TVでどう切り取って放映するのかな、とちょっと考えてしまいました笑

後ろの音声加工して報道とかありえそうで。

偏向報道だとネットが騒ぐとこまでを想像してしまった……笑



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