第437話 新たなスキルの作成

【いいんじゃないですか?

 この際1人も2人も3人も同じですよ。】


 とキリカが恐ろしいことを言ってくる。


【だから私とも結婚しましょう。】


 しないからね!?


【オニイチャンは頭が固いですね。

 神ならば重婚は当たり前。身内と結婚するのも当たり前のことですよ?】


 僕は半分人間なの!


【ですがどうするんです?

 ミルドレッドさんに魔法をかけていただけなければ、ヒルデさんが危険にさらされる可能性はなくなりませんが。


 それとも結婚以外で、ミルドレッドさんを納得させられる方法でも?】


 それはないけど……。だからって結婚は無理だよ。まだレンジアやオフィーリア嬢ならわかるよ。僕もにくからず思っているし。


【オフィーリアさんは確かに、オニイチャンが結婚した事実を知ったらショックを受けるでしょうね。そして自分も加わりたいと申し出ることでしょう。】


 オフィーリア嬢はリアムと婚約しているもの。そういうわけにいかないのは、本人だってわかっているでしょ。


【ですがオフィーリアさんは、それが嫌で逃げ出しているんすよ?王家の影に、オーウェンズ伯爵家から、その身を隠させてまで。


 それに、リシャーラ王国がなくなってしまえば、貴族制度なんて瓦解します。貴族の家同士の婚約なんて、ないも同然ですよ。】


 僕、ルーデンス王太子たちがしていることを諌めるつもりではいるけど、リシャーラ王国ごと処罰するつもりはないからね?

 なんでそんなに国を消したいかなあ。


 ──そうだ!魔法かスキルを作ってしまえばいいんだ!ねえキリカ、僕が作った魔法かスキルを、ヒルデに付与することは出来る?


【回答、アレックス・ラウマンは神の為、祝福として人間にスキルないし魔法スキルを付与することが可能です。】


 やった!なら早速作ろう。

 防御魔法は既にあるからね、つけるとしたらスキルのほうが可能かな。


【あまり強大なものはつけられませんよ。

 ことわりが崩れますし、なによりオニイチャンの神力が足りません。


 だいぶ信者が増えてきたことで、信仰心が神力を高まらせてはいますが、まだ神としては弱い部類ですから。】


 となると、スキルとしては強いけど、制限付きって形なら可能かな?


【それでしたら問題ありませんね。】


 よし、ならこうしよう。


「ヒルデ、ミルドレッドさんが防御魔法をかけてくれないみたいだから、君自身がつかえるスキルを授けるよ。発動時間と再使用に条件はあるけど、君を守ってくれる筈だよ。」


「……あんたのスキル、そんなことまで出来るの?本当に規格外ね……。」

 ヒルデが驚いて目を丸くしている。


「まあ、いろいろと制限はあるんだけどね。

 作成!スキル、絶対防御!最長10分間の間、半径1アガ以内の攻撃、及び領域侵入を無効化する!リキャストタイムは30分、1日3回まで使用可能なものとする!」


【命名:絶対防御。

 使用を意識することで発動します。

 種類:固有スキル。

 最長10分間の間、半径1アガ以内の攻撃、及び領域侵入を無効化します。

 リキャストタイムは30分。

 1日3回まで使用可能。】


 あれ、固有スキルになっちゃった。祝福で授けられるのは通常のスキルなのにな。あ、でも固有スキルも、祝福になるのか。

 あとはこれをヒルデに付与するだけだ。


「──創生神アレックスの名において、ヒルデ・ガルドに祝福を授ける。

 祝福の名は、固有スキル、絶対防御。」


「か、神!?神って、なに!?」

 あ、ヒルデにその話、してなかった。

 だけど、なんの反応もない。

 あれ?これで祝福は付与されたのかな?


【オニイチャン、祝福なんですから、オデコに口づけしないと付与されませんよ?】


 え!?なにそれ、知らない!


【母さまたちは、生まれる前の魂に口づけしてから、地上に送り込んでいますからね。

 ヒルデさんはもう地上にいますから、オデコを通じて送り込まないと駄目です。】


 そ、そうなんだ……。


「ヒ、ヒルデ、ごめん。

 オデコに口づけしないと駄目みたい……。

 ミーニャ、ごめん、目をつぶってて!」


「え!?は!?」

 ヒルデが思わず真っ赤になる。

「ヒルデを守る為なんだ!」


「わ、わかったわよ……。」

 ヒルデがギュッと目を閉じる。ミーニャもそれを見て、そっと目を閉じてくれた。


 オデコとはいえ、ミーニャの前で他の子にキスするとか……。うう、心が痛いよ。僕はヒルデに近付いて、同じ言葉を繰り返し、額に口づけしながら祝福が宿ることを願った。


 するとヒルデの全身が薄く光輝いた。


【問題なく祝福が与えられました。】


 ふう……。良かった。


「ヒルデ、ルーデンス王太子たちが万が一襲ってきたら、絶対防御のスキルを使って。

 10分間は安全だから。その間に必ず僕らがかけつける。それまで持ちこたえて。」


「わかった。囮の役を果たして見せるわ。」

 ヒルデがコックリとうなずいた。

「そうならないように動くつもりではいるけどね。ヒルデを囮になんてしたくないし。」


「アレックスがスキルを作って守ってしまっては、わらわと結婚しなくてもよいということではないか!いーやなーのじゃー!

 アレックス!わらわと結婚してたも!」


 まだこっちの問題が残ってたよ……。


────────────────────


カクヨムコンやはり駄目でしたね。

また頑張ります。

応援ありがとうございました。


昨日気持ち悪くて1日寝ていたせいで、こんな時間にまだ眠くなくて困ってます汗

また手術することになって、朝から病院行く予定なんですが、起きられるか不安。

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