第280話 英雄のクエスト発動
「あ、はい、その説はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。大切な魔物まで一緒くたに消されてしまったとのことで……。
お詫びのしようもありません。」
「いや、別にテイムしたばかりで、特に思い入れもなかったですし、保証していただけるというだけでありがたいです。」
「神さまのしたことだと思っていたので、魔物のことは諦めてましたし……。」
「うちの甥っ子はこれでも冒険者ですので、法律に則って賠償させていただきます。」
叔父さんが代わりに対応してくれる。僕は冒険者ギルドが用意した賠償の為の書類にサインをし、冒険者ギルドの中に作られた試験会場で、代わりの魔物を出すことになった。
ここは冒険者ランク上げの判定試験なんかに使われる会場なんだって。冒険者ギルドの中に必ずひとつはあって、試験官や魔物と戦って判定を受けるものだそう。
闘技場のスペースだけとはいえ、外に魔物が逃げ出して危険なことにならないよう、シールドがはられているんだって。Sランクまでなら出してもだいじょうぶだと言われた。
魔物の討伐数や納品数でランクが上がるのはDランクまでで、それ以上は試験を受けなければ上がれないんだと、叔父さんが説明してくれた。だから僕はDランクなんだよね。
「じゃあ、出しますので選んで下さい。」
叔父さんがそう言って、マジックバッグから魔物をすべて取り出して、闘技場の中に1体ずつ見やすいように並べていった。
それを見たテイマーさんたちも、冒険者ギルドの人たちもあ然としている。試験会場にはシールド魔法がかけられていて安全とはいえ、Sランクが3体もいるからね。
「こ、この中から本当に、好きに選んでもいいんですか!?」
「はい、何がお気に召すかわからなかったので、とりあえず12種類連れて来ました。」
「フェンリルも悩ましいところだが、ここはやはりミスリルゴーレムでお願いします!」
「良かった、かぶらなかった。お、俺はオーガジェネラルでもいいですか……?」
「はい、どうぞ。」
「やった!これで俺たちもSランク持ちだ!
一気にランクが上がるぞ!」
「早くこいつを使いこなさないとな!」
テイマーさんたちは2人とも凄く嬉しそうだった。実力以上の魔物をテイム出来ることもなかにはあるけど、Sランクは本来Aランクが使役するのはほぼ不可能なのだそうだ。
テイマーの使役条件を考えたら、強さを認めさせるのがまず難しいし、弱らせて捕獲もAランクパーティじゃ無理なんだって。協力してくれるSランクがいれば別だけど。
捕獲された魔物を買い取ろうとするとお高いし、魔物に気に入られるなんて夢のまた夢だ。だからあんなに喜んでいるのだと、叔父さんが説明してくれた。
「なんだ、あんたたち、ほんとに魔物を連れて来たのか!?それもSランクが3体もだって!?冗談かと思ったが、こいつは……。」
「凄いわ!12体もAランク以上が!」
そこに、どこかから話を聞きつけた、アイオロスさんとシャーリーさんがやってくる。
闘技場の魔物を見て目を丸くしていた。
「アイオロス、お前この人の文句をさんざっぱら言ってたけど、もういいだろ?ここまでしてくれたんだぜ?ていうか俺たちがいいって言ってるのにさ。俺たちは満足なんだ。」
「ああ。Aランクの保証でSランクを連れて来られて、文句のあるテイマーなんているもんか。むしろ俺たちはラッキーだったよ。」
「うっ……。わかったよ。そんなにシャーリーと付き合いたかったんだな。さすがにここまでするのならお前のことを認めてやるよ。
よろしく頼むな、──俺の弟として。」
「兄さんったら……。」
「違います!単に保証だけの目的です!」
僕は慌ててそれを否定した。
シャーリー嬢も頬を染めないで!
僕に握手を求めて、アイオロスさんが近づいて来た時だった。
「クエスト発動……!?なんだこれ?
頭の中に、文字が浮かびやがる!」
英雄のクエストだ!ついに出たんだね!
というか、音声はついてないのかな?
僕の時はキリカの声とセットなんだけど。
【回答、スキル解放のクエストは文字が頭の中に浮かぶのみとなります。代表的なものは錬金術師のスキルにおいて、レベルに応じて錬成可能な品が出る場合に、錬成後の品と、それに必要な素材が頭の中に浮かびます。
また、必要な素材が隠されていることも多く、手にした場合や、錬成成功後に素材が判明することも多くあります。
解放を求められることが少ない為、一般的には錬金術師や薬師にのみおこることとして知られていますが、すべてのスキルにおいてスキル解放及びその条件は存在します。】
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アイオロスとシャーリーは、聞き取りの前に王宮に呼ばれてしまっていた為に、今冒険者ギルドで聞き取りを受けていたんですね。
Q.世界一どうでもいいクイズ
感想から動画を当てて下さい。
YKKといい、花王といい、むしろプロモーションありきの時が実に楽しみな唯一のチャンネル笑
ここの家族を選ぶセンスを次に見せる企業はどこなのか?それだけで企業の好感度が自分の中で爆上がり笑
大掃除をあんなに楽しく、かつ大事なことも教育しながらやれるのはいいねえ。
──正解は明日☆
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