第62話 狂気の特攻作戦③

「それじゃあ、作戦通りでいくよ」


「わ、わかったわ。私がゴブリンクイーンを倒して、カインがゴブリンキングね……それで、倒す順番はクイーン、キングだよね」


「うん、順番は重要だから、気をつけてね」


実はゲームでも主人公が倒すのはゴブリンクイーンだけで、ゴブリンキングを倒してくれるのは、下克上を狙うゴブリンキング候補とゴブリンクイーン候補で、この特攻でゴブリンクイーンを一撃で倒せなくても候補達の支援でゴブリンクイーンを倒す事が出来き、ゴブリンキングは候補達がオートモードで倒してくれる仕様になっていた。


そこでシエルが主人公のポジション、僕が候補達のポジションをやる事にした。


ちなみにゴブリンキングは物理攻撃特化型のモンスターで、配下モンスターの所持している物理系能力を全て使う事が出来て、ゴブリンクイーンは魔法特化型のモンスターで、配下のモンスターの所持している魔法系能力を全て使えるというチートモンスターなのだが、弱点はあり、ゴブリンキングは魔法系に弱く、ゴブリンクイーンは物理系に弱いのだ。


だからシエルはゴブリンクイーン、僕はゴブリンキングを担当する事になった。


「じゃあ、いくわ!!」


シエルは勢いよく、都庁の上からホテル方面に向かって飛んだ。


飛ばしといてアレだけど、こんな高い場所からよく飛べたな。


5歳でこんな高さからメンタルの強さで飛べるシエルを心から尊敬するよ。


さてと……僕は飛んでいるシエルに向かい、風魔法を唱えてホテル真上に行くように軌道修正していく。


うーむ。


軌道修正が自動にはかからないから、ゲーム的なサポートは無いのか?


いや、大幅に逸れなければ自動修正されないのかもしれないな。


まあ、自動修正されるまで放置する様な危険な事はしないけどね。


「カイン!! 凄く怖い!!!!」


「頑張って!!!!あと半分だから!!!」


シエルが超大声で絶叫しているのに対して、僕も風魔法を使い、大声で応援する。


それを聞いたシエルはパラシュートから手を離し、聖剣クラウ・ソラスを両手にしっかりと持つ。


遠くから分かる位に聖剣クラウ・ソラスの刀身は光輝いていた。


聖剣クラウ・ソラスが持つ輝きの他に、シエル自身も【光属性】付与をしているのだろう。


そして、目的地上空付近になると、聖剣クラウ・ソラスの刀身から放たれていた神々しい光はシエル自身をも包み始める。


凄いな。


シエルは【光属性】付与を刀身の他にも全身へと移動させ、無駄に外へと流れていた力を体内に封じ込めるかのように圧縮していく。


僕も属性付与はかなり試したが、シエルみたいに1発であそこまで身体内に留めるの超難しい。


それをあの強風が吹く上空で完成させるなんて……。


「シエル!! あと3秒後にパラシュートを破壊するよ!!」


「!? わ、分かったわ!」




【ステータス】

【名前】カイン・シュバルツ

【レベル】80

【祝福】バットエンド

    リタイア

    タイムアップ

【技能】中級武器知識

    上級魔法知識

    上級薬草知識

    上級錬金知識

【権能】神の眼Lv.4

    “アイテム鑑定”、“モンスター鑑定”

    “悪意鑑定”

    レベルシステム

    レベルアップ特典

    成長強化プログラム《15歳まで》

【装備】魔杖 “魔力増加”“属性強化”

    魔銃 “魔法強化”“速度強化”“長距離射撃”

    魔剣 “攻撃力”“属性強化”

    魔鎧 “回避力”“体力回復”

    靴 “移動速度”“消音”

    指輪 “魔法強化”“属性防御力”“器用さ”

   

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る