②ほかに好きな人がいても幼馴染とだけはキスしていいって聞いてるんだけど。俺、なにか間違ってる?

桜枕

プロット

◯世界観

舞台は一般的な日本の高校。都会ではなく田舎。

高校3年生4月から卒業までを描く。


主人公はヒロインと一緒にいることで好きな人(ヒロインの母)の面影を追いつつ、好きな人(ヒロインの母)の理想とする男になる為に依存している。

ヒロインは主人公が自分の母親を好きであり続ける限り、嫌われることはないと考え、自分に惚れさせようとしつつ依存する関係。

最終的には過去や自分たちの汚い性格を乗り越え、純粋な愛を二人で探し始める物語。


◯テーマ

共依存の自覚と脱却。

初恋を乗り越えて、次の恋へ進む。


◯主要キャラクター


主人公:里見さとみ さとし

年齢:17歳(高校3年生)

一人称:俺

家族構成:父、母、妹

性格:両親共に教師の家庭で育つも成績はあまりよくない。しかし、ヒロインと同じ高校に通う為に猛勉強して進学する。

ヒロインとは幼稚園からの付き合いで幼馴染の関係。

幼少期からヒロインの母親に惚れている。小学生の頃に一度告白をしてはぐらかされた上に「瑞穂を幸せにしてくれたらもっと好きになっちゃう」と言われた過去を持つ。

好きな人(ヒロインの母)の願いを叶える為に幼馴染のそばにいる。

めんどくさがり屋だが、好きな人(ヒロインの母親)との約束を守る為にヒロインの頼みは断らない。

ヒロインと一緒にいる為の努力は厭わないタイプであり、ヒロインの言ったことに疑いは持たない。

基本的にヒロインの意見を尊重する為、自分から何かすることはない。

早起きは得意な方。

趣味:なし

好きな食べ物:ヒロインの母親が作るハムエッグトースト

セリフイメージ:「俺とあいつはそういう関係じゃないって」、「え、幼馴染ってキスしないの? そういうもんだって聞いてるけど」

見た目:私服はヒロインが選んだものしか着ない。髪型もヒロインが気に入ったスタイルを毎朝セットしている。


ヒロイン:水本みずもと 瑞穂みずほ

年齢:17歳(高校3年生)

一人称:私

家族構成:母と二人暮らし

性格:学校では真面目に見せているだけで実際にはずぼら。形から入るタイプ。

見た目に反して性に貪欲で今後の為に情報を集めるだけ集めているが、その話は学校では絶対にしない。

母親のことは好きだが、反面教師にしている一面を持つ。

過去に主人公と結婚の口約束をしている。

ひょんなことから主人公が自分の母親を好きだということを知り、その事実を知った上で世話を焼くことを生きがいとし、「いずれは母ではなく自分を好きなってくれる」と信じている。

主人公にだけわがままを言い、度々困らせる。

「幼馴染同士ではキスするんだよ」と教え込み、毎日のようにキスする仲である。

好きな食べ物:たいやき(人前では尻尾から食べるが、主人公の前では頭から食べる)

早起きは苦手な方。

趣味:主人公の世話

セリフイメージ:「ほんとに聡は私がいないとダメだね」、「知ってる? 幼馴染だけは他に好きな人がいてもチュウしていいんだよ」

見た目:眼鏡(伊達メガネ)、黒髪を二つにまとめている。制服は着崩さない。委員長というイメージを守るように気を遣っている。実際には委員会には属していないが、教師の推薦で渋々、学級委員長を務めている。

主人公以外の服装や生活が乱れていても口は出すが、あくまでも学級委員長としての仕事をしているだけで真剣に伝えることはない。


サブヒロイン:水本みずもと 瑞稀みずき

年齢:36歳(19歳で出産)

一人称:あたし

家族構成:娘と二人暮らし

性格:サバサバ系の母。未婚のシングルマザー。職業は美容師。学生時代はまともに学校に通っていない為、偏差値は娘よりも低い。

娘が真面目に育っていることに安心している反面、わがままを言わないことに心配している。

主人公のことは好きだが、恋愛感情は全くない。

主人公は娘と結ばれるべきであると考えており、彼女の発言が後に主人公と娘の共依存関係を作るきっかけとなってしまった。

好きな食べ物:肉料理全般

セリフイメージ:「あたしは誰とも付き合わないって決めてるから」、「好きな男のタイプ? 娘を幸せにできる人、娘が愛してると思える人」、「勉強は今のうちしかできないから、ちゃんとしておきなさい」


石浦

年齢:17歳(高校3年生)

一人称:あたし

主人公が夏休みから通うようになる塾で同じ教室になる。

同じ数学の問題で悩んでいたことがきっかけで一緒に勉強するようになり、一緒に帰宅したり、塾以外でも勉強する仲になる。

主人公の好きな人(ヒロインの母)とヒロインとの関係を聞き、「その関係は間違っている」と言い始める。二人の関係をかき回す役どころ。

最終的には主人公に好意を抱き、告白するも振られてしまう。

その後は友達として関係を続け、大学受験を一緒に乗り越える。


岡田

年齢:20歳(大学2年生)

一人称:僕

ヒロインの家庭教師。

家が近所で主人公、ヒロインと顔なじみ。小学校、中学校は二人と同じ。

彼らが仲良しなことは知っているが、関係性までは知らない。

モヤモヤし続けているヒロインの相談を受けるようになる。


◯物語構成

・『君に恋をするなんて、ありえないはずだった』のような全2巻で完結するなイメージ。

・三人称で語り、主人公とヒロインの視点で物語を描く。

・1巻10万~11万文字程度。


・1巻、全4章構成

プロローグ~1章


序盤:高校三年生に進級し、聡と瑞穂は同じクラスになる。

当然のように毎日一緒に登下校する為、学校中で公認カップルとなっていた。

聡は否定するが、瑞穂は否定しない。

「本当に付き合ってないの?」というクラスメイトからの質問で回想。


中盤:小学4年生の時に主人公は瑞穂の母に告白しはぐらかされ、娘を幸せにする奴が好きだと言われる。幸せにするの意味を考え、瑞穂の言う事は無視せず、困っていれば積極的に助けるようになり、今まで以上に大切に扱うようになった。しかし、それ以外の事には無感心な性格となってしまう。

対して瑞穂は聡が自分の母親に告白するシーンを見ている。告白以降、明らかに聡の自分に対する態度が変わったことにも気づいているが、気づかないふりをしている。

という過去が明らかになる。


終盤:瑞穂は自分が志望している大学を伝え、聡が絶望する。

「中学の時も頑張れたから、今年も頑張れるよね」という瑞穂の期待に応え、願いを叶える為に真剣に勉強に取り組む覚悟を決める。


2章

序盤:瑞穂の誕生日を祝い、あらためて結婚の約束を取り付けるが、聡は適当に返事をしてしまう。

そのまま夏休みに突入。瑞穂と同じ大学に進学する為に中学三年生時と同様に猛勉強を開始する。しかし、埋められない学力の差に気づく。

聡は仕方なく塾へ通い始め、サブヒロインである他校の石浦と出会う。


中盤:これまで聡は瑞穂と瑞穂の母以外に興味を示さなかったが、石浦とは大学へ進学するという同じ目標を掲げ、励まし合いながら仲を深め始める。

石浦は無趣味だった聡を野球観戦に連れて行き、楽しみを与えることに成功する。

聡が瑞穂を勉強の息抜きに野球観戦に誘ったことで瑞穂は不審に思う。


終盤:夏休み明けのテストで聡の成績が伸び、教師も瑞穂も驚く。

聡は自分の両親ではなく、瑞穂の母へ成績の自慢をし、褒められたことでより一層勉学に励むようになる。

瑞穂としては全く面白くない。しかし、聡にばかり構っていられるほど余裕もなく、塾ではなく家庭教師である近所の大学生と勉強する選択をする。


3章

序盤:クラスメイトたちは聡が瑞穂以外の女子と塾で仲良くしているという噂を流し始める。

瑞穂との関係を否定している聡と石浦の関係に興味津々なクラスメイトに苛立ち、瑞穂は遂にクラスメイトの前で聡と日常的にキスしている事実を暴露する。

風紀委員長キャラの一部崩壊が始まる。


中盤:クラスメイトから石浦に情報が伝わり、聡と瑞穂と石浦が直接会って話す。

瑞穂は聡が一緒の時には真面目風に応対していたが、聡が席を立った途端に豹変し、石浦を脅す。

それでも怯まない石浦は「聡に告白する」と宣戦布告し、その場を去る。

文化祭の準備で瑞穂は学級委員長として忙しくなり、聡との時間が減ってしまう。

これまで通りであれば瑞穂の用事が終わるまで時間を潰して待っていた聡だが、石浦に感化されたことで瑞穂から離れ始める。

瑞穂はストレスがたまり、ミスを繰り返すようになり、孤立し始める。

反対に聡は石浦のおかげで交友関係が広がる。


終盤:文化祭に石浦が来る。

聡は石浦からの告白を断り、告白されたことを瑞穂の母に報告しに行く。

時を同じくして瑞穂は石浦のことを家庭教師の岡田に愚痴りながらも勉強を続ける。

聡は瑞穂の愚痴を聞いてしまい、その中で自分に対する瑞穂の想いを知る。

瑞穂は聡が告白された事実を盗み聞きし、憤ると同時に告白を報告された母への嫉妬心を募らせる。そして、聡が誕生日の日に母へ再び告白しようとしていることを知る。


4章

序盤:誕生日を迎え、結婚できる年齢になったことで聡は瑞穂の母に改めて告白する。この時、聡は瑞穂の母にこっぴどく振られる。

聡が瑞穂の母を好きになった理由は、自分の母は厳しかったが、瑞穂の母が優しく、一緒にいて苦痛がなかったから。つまり母性を求めていただけ。

更に瑞穂が小学4~6年生でクラスメイトに友チョコを渡したり、中学生~高校に至るまで毎年のように告白されていたことを知っており、胸をザワつかせていた。

その気持ちを無視して、自分を傷つけない為に絶対に叶わない恋を追い求め瑞穂から逃げていた。聡はその事実を突き付けられる。


中盤:瑞穂の母に振られたことを瑞穂には相談できない為、石浦に連絡を取ろうする。

しかし、タイミングを見計らったように瑞穂が現れ、意気消沈となった聡を慰める(マイルドに性描写。肌を重ねた程度の言い回ししか用いない)


終盤:互いにストレスのはけ口となってしまった聡と瑞穂。

二人はこの友達でも幼馴染でも恋人でもない関係性の名前を探るようになり、葛藤が生まれ始める。


2巻の引きとして聡は瑞穂への気持ちが恋であると認め始める。

しかし、瑞穂は自分の性格と行いを嫌悪し続け、聡と距離を取ってしまう。


2巻では晩秋~春にかけての話を中心に展開し、受験を終えて完結。ハッピーエンド。エピローグでは聡と瑞穂の結婚生活を少し入れたい。

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