劣勢!☆

広間にいる蛮族達はざっと見て50人前後いるようだ。とても1人で戦える数ではない。


しばらく様子を見ていると悲鳴が上がった。


「オラッ!さっさと入れ!!!」


広間の反対側には牢屋の様な馬車が停められており、中には大勢の女性が入れられていた。


「この人殺し!私の家族を返しなさいよ!」


気の強い女性ようで、牢屋の様な馬車に入るのを拒んでいた。


「チッ!気の強い女は嫌いじゃねぇが、暴れるんじゃね!」


ジタバタ暴れる女性に苛立った蛮族の1人がその女性を斬り付けた。


「「キャーーーーーー!!!!!」」


大勢の悲鳴が上がった。


「おいっ!勝手に殺すな!売り物が減るだろうが!」

「見せしめだ。下手にでてこんな馬鹿な女が増えると面倒だろう?」


仲間の蛮族そうだなと言ってそれ以上抗議しなかった。

それをみていたレグルスは──


『クソッ!僕がビビって隠れていたばかりにあの女性が殺された』


レグルスは気持ちを落ち着かせると、蛮族達の前に飛び出した。


「お前達!そこまでだ!!!」


広間にいた蛮族達が一斉にこちらを見た。レグルスは1番近くにいた蛮族に駆けていくと一刀両断にして殺した。


「何者だ!?」


蛮族達は一斉に武器を構えた。


「お前達に名のる名などない!この村での狼藉、僕が許さない!」


レグルスも神剣を前に構えて咆えた!


「この人数がわからないのかよ?」


ハハハハハッ!!!!


蛮族達は嘲笑った。

それをレグルスは冷静に観察し状況を把握するのに努めた。


「同じ事をいったお前達の仲間は死んでいったぞ?」


!?


レグルスの一言で空気が変わった。


「そ、そう言えばボード達が戻ってねぇぞ!」

「さっき僕が斬り伏せた。10人以上は居たかな?」


レグルスの言葉に蛮族達はざわめいた。


「落ち着け!!!どうせ、女をヤッてる所を襲ったのだろう!仲間の仇だ。一斉に掛かれば負けることはない!」


リーダー格の男が殺れ!と命じた。

ウオォォォォォォ!!!!!!


蛮族達は一斉に襲い掛かってきた。


『落ち着け。冷静に対処していくんだ』


レグルスは一斉に襲い掛かってきた蛮族達と切り結んだ。

いくら一斉にと言っても、足の早い者などで少しのタイムラグは現れる。レグルスは真っ先に来た蛮族を一刀両断にした。


ザザザッ


驚きと共に蛮族達の足が止まった。

そこにレグルスは次々と蛮族を斬っていった。


しかし、我に返ったリーダーの男が全方位から掛かれと命令してからは形勢が変わった。


「くっ!?」


いつの間にか、神剣を持つレグルスでも、前と後ろから襲ってくる蛮族を捌くので精一杯になっていた。


「ハハハッ!さっきまでの勢いはどうした!」


有利になった事で蛮族達に勢いが戻っていた。


ザシュッ!!!!


そしてついにレグルスは脇腹にキツイ一撃を受けた。


「ガハッ!?」


レグルスは必死に神剣を振り回して間合いを取るのだった。


『こ、ここで僕は死ぬのか?まだ何も成していないと言うのに!』


自分の実力を嘆いたレグルスであったが、突然、全身を貫く光りが天に立ち昇った。







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