つかれた

「子供がひとりで留守番してるときにね、ドアをノックされたら『オカムロ』と答えなければならないって、全然怖くないよね? これ怪談じゃないよね!? 意味わかんないんだけど!!」


 ケタケタと哄笑する彼女の姿は、なるほどオカムロは怖くないね、あなたの方が100倍怖いねと思わせるものだった。


「君はその話しかしてくれないねぇ」


 今日だけで30回。昔からなら、何回だろう。

 さすがにやばそうなので、私はナースコールを押すと見舞いのお菓子を置いて帰ってきた。

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