エロゲ除霊
「霊的なものって、ほんとに不浄なもの嫌うんだよ」
急になに言い出したんだ、お前。
とはいえ怪談を聞かせてくれるなら大歓迎である。
彼は大学入学と同時に一人暮らしを始めた。年齢的にも18禁を遠慮なく楽しめるのである。端的に言って最高。
ネットはまだ繋がっていないがエロゲ(パッケージ版)は出来ると大喜びだった。引っ越し初日の深夜、早速お気に入りのゲームを使った。
気分の問題で、部屋は薄暗くしてBGM音量は下げていた。だからこそはっきり聞こえた。自分ではない誰かの息遣いだ。
ゲームに意識を集中させようにもわざとらしいくらい荒い息で、嘲笑しているようにも聞こえた。
気のせい、ということにしようにも、気味の悪い生ぬるい空気が近づいてくるのを感じる。逃げたいと思っても、マウスホイールを機械的に操作する指先以外金縛りにあったように動かない。
しかしゲームがムービーシーンにはいり、ヒロインが嬌声をあげて汚いSEが響き渡った瞬間、妙な気配はきれいさっぱり消えてしまった。
以来、何事も起きず騒音トラブルもなく平穏な暮らしが続いたとのこと。
「×××さん(エロゲーメーカー)に感謝だな」
そうだな、あそこスカトロ系強かったな。
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