お師匠さまは指を鳴らせない 〜爆散の魔女と白い竜〜

鳥尾巻

はじまりの言葉

 運命が望むとあらば語るとしよう。


 とかく大袈裟な物言いになってしまうのは僕の癖なので、どうか赦して欲しい。


 この唇は、喉は、言葉に音を乗せることが出来ないのだから、書物や経験によって得た知識と頭の中で考えたことを人に話したことはないし、そもそもほとんど人に出会わないから、僕に話しかける人もいない―――お師匠さまを除いては。

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