十年間片思いしていた幼馴染に告白したら「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」と振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。
第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑦
第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑦
第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑦
「いやーごめんな。頑張ったけど2位だったよ」
一年二組の場所に辿り着いた俺は、そう言ってクラスメイトに平謝りをした。
「情けないわよ、霧都!!負けたのにヘラヘラしてるんじゃないわよ!!」
凛音はかなり厳しい叱責をしてきた。
まぁ、こいつは1位だったからな……
「あはは!!一年四組の石崎くんは陸上の短距離走の特待生でこの高校に入った生徒だからね。相手が悪かったよ」
桐崎さんがそう言って慰めてくれた。
「ですが、石崎くんは四組ですからね。私たちと同じ赤組です。考え方によれば赤組のワンツーフィニッシュと言えますね」
永久さんもそう言ってくれた。
まぁ、負けはしたけど最低限の仕事は出来た。
そう思うことにするかな。
「あと、霧都くん。これを飲んでください」
永久さんはそう言うと、ストローを差したスポーツドリンクを寄越してくれた。
「ありがとう、永久さん。喋ったり走ったりしてたから喉が渇いててね」
俺は彼女からスポーツドリンクを受け取ると、ストローで冷えた飲み物を飲む。
こうして運動した後に冷えた飲み物を飲めるのはありがたい。
永久さんには感謝だな。
「ご馳走様。美味しかったよ」
俺はそう言って、彼女に飲み物を返した。
「はい。ではまた頑張ってくださいね!!」
「うん。行ってきます」
スポーツドリンクを片手に手を振る永久さんに別れを告げ、俺は再び放送席へと足を運んだ。
「お疲れ様、桜井くん。惜しくも2位だったね」
放送席に戻ると、三郷先輩が笑顔で労ってくれた。
「そうですね。ですが、赤組のワンツーフィニッシュと思えば、帰宅部としての最低限の仕事は出来たかなと思います」
確か、三郷先輩は桐崎先輩と同じクラスなので三年一組。
奇数のクラスは白組。偶数のクラスは赤組に別れている。
なので、俺たち赤組の『敵』と言える。
「白組は3位と4位だったからね。全く、情けないよね!!」
「あはは。まぁまだ始まったばかりですからね」
女子と男子の短距離走が終わり、点差はほとんど無いが赤組が一歩リードしていた。
「次は障害物競走だね!!えっちな種目がやって来るよ!!」
「この種目をそんな目で見ないでくださいよ」
なんて会話をしながら、俺はパイプ椅子に腰を下ろした。
『さぁ!!短距離走の種目が終わりまして、赤組が若干のリードとなっています!!情けないぞ、白組!!もっと気合を入れて行け!!』
『まだ体育祭は始まったばかりですからね。今の時点の点差なんて、あってないようなものだと思いますよ』
三郷先輩の言葉に、俺が少しフォローするように言葉を重ねた。
『さて、次の種目は障害物競走です!!桜井くん、この種目の見どころは何処ですかね!?』
大網を潜り抜けたり、平均台を歩いたり、パン食い競走があったり、最後は三輪車でゴールを目指すこの種目。
ポイントは三輪車をいかに早く漕げるか?だろうな。
『そうですね。この種目の鬼門はラストの三輪車だと思います。高校生の身体で三輪車を上手く漕げるのか?そこが勝負の分かれ目になると思います!!』
『馬鹿野郎!!』
『……え?』
三郷先輩から放たれた突然の叱責に、俺は疑問符を浮かべた。
『この種目の本当の見どころは、網に絡まる女子生徒や、パン食い競走で揺れるおっぱいが……』
『さぁ!!そろそろ競技開始の時間となりました!!熱い勝負をよろしくお願いします!!』
俺はそう言って三郷先輩のセリフを遮るように言葉を重ねた。
しかし、障害物競走に出場する女子生徒からは自分の胸を隠しながら、俺に対して冷たい視線を送られている。
永久さんからも、ハイライトが消えた瞳で見られてる……
つ、辛い……
そして、そんな中でも競技はスタートした。
位置について……
よーい……
ドン!!
『さぁ、始まりました!!障害物競走です。女子生徒たちが大網に突っ込んでいきます!!網に絡まる女子生徒!!これはもはや十八禁では無かろうか!!』
『皆さん落ち着いてくださいね!!慌てると余計に網が絡まりますからね!!ゆっくりと進むのが逆にポイントになります!!』
大網を抜け、平均台をゆっくりと進み、女子生徒達はパン食い競走へと向かって行った。
『桜井くん!!パン食い競走だよ!!私はね、女子生徒の揺れるおっぱいを見るのが何よりも好きなんだよね!!』
『貴女は本当に女子ですか!?』
俺のそのセリフに、三郷先輩は怒ったように言葉を返した。
『失礼な事を言わないでよ、桜井くん!!そりゃあ私は君の彼女みたいにおっぱいが豊かじゃないからね!!良いじゃない!
!自分に無いものが揺れるのを見るのが好きでも!!』
『そ、そうですね……すみません……』
三郷先輩の『圧』に俺は屈して謝罪をした。
『ほらほら見てよ桜井くん!!揺れてるよ!!私に無いものを持ってる人達が、辱めを受けてるよ!!』
『皆さん!!十秒が経過してもパンが取れない場合は、手を使っても良いルールが昨年より採用されてます!!係員から指示があった場合は手を使ってください!!』
俺がルールの説明をすると、隣の三郷先輩から怒号が飛んできた。
『ふざけるなよ、桜井霧都!!そのクソルールは昨年だけにするって聞いてたはずなのに!!誰だよ今年も採用したやつは!!』
『えと……桐崎先輩が……『去年は怜音先輩だけがブチ切れてたけど、出場者からは概ね好評だったから今年も採用するから』って言ってました』
『あんのクソハーレム王!!余計なことをしやがって!!』
『あはは……』
視線の先の桐崎先輩は、藤崎先輩と黒瀬先輩に挟まれてながら、笑ってこちらに手を振っていた。
そして、多数の生徒が制限時間の十秒を耐えきったあと、手でパンを掴んで次の三輪車へと向かって行った。
『あぁ……私の幸せな時間が終わってしまった……』
『さぁ!!皆さん、ラストの三輪車です!!落ち着いてこちらもやることがポイントです!!』
女子高生が三輪車を漕ぐ姿も、なかなか不道徳な感じがするけどな……
なんて思いながらその様子を見届けた。
こうして、障害物競走は色々な問題発言の上で幕を閉じた。
そして…………
永久さんが出場する。借り物競争の競技の時間となった。
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