第8話2.妹よ

 ミランダはまだ、9歳だというのに、なんたる女子力。


 既にジャンにあざとくもじゃれついている。



 自分が子供だということを存分に自覚し理解した上で、相手の懐に飛び込む技、見事なり。



 ミランダ、恐ろしい子。



 いやいや、これは真似すべき素晴らしい技では?


 まだ、13歳いけるかもしれない。


しかし、前世喪女たる私は、あそこまではっちゃけられなかった。


 しかし、ミランダのおかげで、楽しいティータイムを過ごせたのだった。



 コンコン。


 軍の関係者が、入ってきた。


 大きな箱を抱えている。


 もしや…。



「ご令嬢達と歓談中すまないね。劇が好評だったから、ポートレートを撮影させてくれないかな。」



 なぬ?推しの姿を後世に残せるチャンス到来?



「素晴らしいですわ。私もパーシヴァル様のポートレート欲しいですわ。撮影見学してもよろしいですか?」



 えぇ、推しの生写真欲しい。しかも、素敵な衣装でなんて。


 後ろではミランダがジャン様に撮影をおねだりしていた。ミランダよ、グッジョブ!


 君のあざとさって味方にすると、めっちゃ心強いな。



 撮影は夢のように美しかった。座ったパーシヴァル様を後ろに立ってバックハグするジャン。神話の世界から抜け出た神々のように気高く美しいのに、なんだかいけないものを見ているみたいに艷めいて見えた。


 こんなけしからん体勢を指示するなど、このカメラマンなかなかやるな。


 乙女心をよく理解しておるではないか。



 ぬぬ。ミランダがカメラマンに何かおねだりを始めた。



「ジャン様お一人のポートレートを撮影して欲しいの。」



 なんと?ミランダよ。素晴らしいではないか。そなたの我が儘は無尽蔵だな。それでは私も、便乗することにしよう。



「パーシヴァル様お一人のも撮影して欲しいですわ。」



 私の推し活はミランダという素晴らしきサポーターを得たことにより、より一層加速したのだった。




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