成人の儀式

※気分転換の為…こっちを書きます




ウィルと別れて、急いで成人式の準備をする。流石に今日は、1人では間に合わないので普段は嫌がる着替えの手伝いも、すんなりと受け入れている。勿論、表情はとても嫌そうだが。


とても嬉しそうな、ノイズを横目に書類確認や持ち物を確認するライズ。準備完了、全力な身嗜み。行きたくないと、ため息を吐いて聞く。


「シルバさん、馬車は?」


「表に、既にある…コホンッ、失礼。既に、表に用意してあります。朝食は、そろそろです。」


ノイズに、怖い笑顔を向けられて言い換えるシルバ。ライズは、思わず視線を逸らした。


「ありがとう、朝食が終わったらすぐ出る。だから、そのつもりで居て欲しいかな。」


「すぐですか?」


ノイズは、思わず困惑する様に言う。


「うん、理由はね?」


そう言って、馬車が通れる通路を教える。いくつかの、渋滞ポイントやトラブルポイントを丁寧に教えていく。これらを、考えないと遅刻してしまうと。そして、振り向いてから言う。


「だから、ウィルにも伝えてね執事さん。」


開いていたドアに、執事が立っていた。


「すみません、聞き耳を立てるつもりは…」


「知ってるよ、ご飯でしょう?ありがとう。」


そう言うと、部屋から出るのだった。




席に着くと、お兄様達が固まった。お父様は、思わずと言った雰囲気で笑ている。お母様達も、優しく頷いている。初めて、しっかりな身嗜みだからね。嫌だなぁ…、着崩したい。


「今日は、真面目なんだね。」


お父様が、嬉しそうに言う。


「お父様とお家に、泥を塗るわけにはいかないので。今日だけは、しっかりします。」


「そう。つまり、本気を出すって事かな?」


その言葉には、含みがあった。ライズは、キョトンとしてから思わず笑みを溢す。お母様達は優しく微笑み、お兄様達は見定める雰囲気だ。


「その本気が、どういう意味なのか分かりません。なんせ私、なんちゃって無能貴族なので。だから。本気とか、努力とか無縁なんです。」


お父様は、苦々しい雰囲気でため息。


「忘れてませんか?私は、権力や地位そしてお金には興味がないんです。あ、稼ぐのは大好きですよ!けど、それは貴族じゃなくても…」


「はい、駄目。逃がさないよ、大人しく諦めようね。僕の目が黒いうちは、縁なんて切らせないし王家が何しようと守ってみせるからね。」


父様は、素晴らしい笑顔で冗談っぽい雰囲気で言っているが。目が、笑ってない。ついでに、お兄様達もにこやかにしてるが雰囲気が怖い。お母様達?言うまでもありません、そもそも母性に溢れた方々ですもん。やれやれである。


「それでも良いですが、役割は無いそうなので表舞台からは引こうと思います。商人しながらひっそりと人気のない土地で過ごす予定です。」


すると、苦笑してそこが妥協点かと頷く家族。




さてと、会場に着いたけど席はここか。


ライズの椅子に座った瞬間、見られている事に気がつく。視線が目障りで、ため息が出る。


無視して、隣のウィルを見るとうとうとしている。ついには、ライズの方に倒れて来た。やれやれと、スルーして周りを見ている。


ライズは、未来視をこまめに見ながら未来視に開始が現れたら起こそうと決めるのだった。数人、寝ている人も見られるし。ついでに、起こそうと。暫くして、ライズはウィルを起こす。


「ウィル、起きて。そろそろ、成人の儀式が始まるから身嗜みを直そう。お父様も、来ちゃう。ほら、ネクタイ結び直してあげる。」


周りは、何言ってるんだと嗤う。


「ライズ、ありがとう。」


ネクタイは、綺麗に結ばれている。


「座って、来る。」


次の瞬間に、本当に来て慌てる人達。一部の人は、ライズの声に従ってたので、醜態を回避するのだった。呆れた雰囲気で、無言で座り直したライズに視線を向けるウィル。そして聞く。


「ライズ、どうやって分かったの?」


「ごめん、答えられない。」


王族達は、少しだけ興味ある様だ。


「うーん、わかった。もう聞かない。」


少し考え、困った雰囲気で頷いてから言う。




成人の儀式も終わり、パーティー会場へ移動なのだがライズは動かなかった。王族に、呼び止められたからである。ライズは、無表情だ。


「久しぶりだな、ライズ・ロイナ。」


ライズは、差し当たりのない挨拶をする。


「……ライズ?」


セナム第二王子は、様子を伺う雰囲気だ。


「何でしょうか?それと、要件をお聞きしてもよろしいでしょうか?王家の皆様。」


無表情で、無感情に聞くライズ。


「どうやら、我らは嫌われたらしいな。まあ、攻撃した我の責任であるが。和解は無理か?」


「それは、命令ですか?」


王太子は、思わず苦笑する。セナムは、冷や汗を流して沈黙。第三王子リケは、困惑した雰囲気で様子を見守る。第四王子は、苛立った雰囲気だ。第五王子は、だよねーと視線を逸らす。


「ご安心ください、学園生活が終わりしだい、表舞台から去る予定ですので。お父様とも、そこが妥協点だと既に話し合っております。」


すると、陛下は目を伏せてから頷いた。


「引き止めて悪かった。引き続き、パーティーを楽しむが良い。また、後で話したい。」


「話す事など、ございません。」


そう言うと、礼をして会場に向かった。

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