第18話大型イベント開始一日目

 いよいよ成行達声優カップルチャンネルの初の大型イベント参加する一日目を迎えた。

 成行自宅にて


「うわぁ~よく寝た~さてと今日はいつも以上に頑張りますか!」


 と早速布団から出て会場へ向かう準備をする成行。

 朝ご飯を食べ、着替えて家を出て会場へと向かった。

 一方その頃、琴美は電車に乗っていた。

 目覚ましをかけた時間より少し早く起きてしまったので二度寝すると起きられない気がするので起きて準備して早めに自宅から出たのである。


「今日から三日間ちゃんと走り抜かなきゃ。」


 と電車の中で小声気味に気合を入れたのだった。

 そしてその後二人共遅れる事も無く無事現地に着いたのである。

 それぞれ開場するまでに衣装や行動の再確認をし時は流れ

 いよいよイベント一日目が開始された。

 毎年恒例の事ながら凄い列が会場の中に押し寄せて来た。

 その中、時間限定で売り子をする成行と琴美と広告をする係に回っている想火とミッシェルが居た。


「いよいよ始まったね。僕達も三日間頑張ろう!」

「そうね!」

「そうですね!」

「OK!」


 と実感が沸きつつ、成行、琴美、想火、ミッシェルの四人は各々の場所へと行き、役割をこなしに向かった。

 するとカップル声優チャンネルのブースに続々とファンが集まって来た。


「いや~やっとここまで来れた。相変わらず混んでるなぁ~SNSで見た地図に表記だとあそこかな」

「声優カップルチャンネルのブースはどこだろ~」

「予定が合ってよかった。グッズはどこに売ってるんだろう」

「今日は生の二人を見るぞー!」

「推しカップの参加は見逃せない!」


 などなど、ファンそれぞれが様々な思いを抱きながら来場していた。

 その頃、今回このイベントの雑用兼サポート役で参加している想火とミッシェルは行列に流され、迷子になっていた。


「こんなに混むなんて聞いてないよー!?あれ、さっきまで一緒にミッシェルさんどこに行ったんだろうどうしよう…すいません!通して下さい!イベントのスタッフです!道を開けてください。お願いしますー!」


 と困惑しながらも想火は元の持ち場に戻ろうと奔走していた。

 その頃、ミッシェルも同じく会場内でウロウロしていた。


「ミス、想火ー!ドコデスカ?迷子に私なっちゃったネ。ミス、想火をミツケナイト!」


 と初のコスケ参加の想火とミッシェルの二人はこうなる事を知らずに迷ってしまった。

 二人が迷っているその頃、成行と琴美はブースの売り場の方でファンの人と交流兼グッズの販売に勤しんでいた。


「急な発表だったのにまさかこんなに沢山の人達が来てくれると思わなかった嬉しい悲鳴だけどそっちは大丈夫?ことちゃん」

「うん、ファンの人達の押し寄せが凄いけど何とかなりそうだよなり君」


 と二人は仕事モードになりながら販売やファンの対応に追われていた。

 そして一旦混んでいた列も落ち着き成行と琴美が一息つけるタイミングになって二人は想火とミッシェルが居ない事に気付いた。


「あれ、成行君想火ちゃんとミッシェルさんどこ行ったか知ってる?」

「あ、そういえば今日最後の見かけた時に想火ちゃんとミッシェルさんで宣伝用のチラシを配りに行くって言ってたっけな」

「もしかしてその時に二人共迷子になったんじゃない?」

「いやいや流石にそんなわけ・・・」


 と成行が言いかけると想火から琴美へ文章で連絡が来た。

 琴美先輩、すみません迷子になってしまいました。目印になりそうな場所を伝えるので手が空いてからでいいので助けてください。それとミッシェルさんそっちらに戻ってますか?戻ってたら良いんですけど返事で教えてください。

 と書いてあった。


「なり君どうやら文章的に想火ちゃんとミッシェルさん迷子になったぽいねこれは」

「いや~まぁそんな馬鹿なと思ったら本当に、そうなるとは…どうする?誰が探しに行こうか?」

「ここは、体力や会場慣れしてるなり君の方が良いんじゃない?ブースの回しは戻ってくるまで位だったら私がどうにかするし!万が一どっちかが戻ってきてもいいようにね!」

「分かったよ!じゃあここは任せた!」


 と成行はその場を琴美に任せて、まずは想火を探しに文章でやり取りしながら探しに向かった。

 そして人混みに揉まれながら想火から聞いた情報を頼りに目的の目印を探して捜し歩く成行、するとその途中で何やら歓声が聞こえた。


「これをこうしてこう!ハーイドウゾー!」


 そこには、子供達に囲まれ、風船でバルーンアートを作っているミッシェルの姿だった。


「ミッシェルさんってあんな事も出来るんだぁ凄いなぁ~」


 するとミッシェルは成行に気付き、声を掛けた。


「オー!成行もここに来たノネ!」

「ミッシェルさん道に迷ってたんじゃないの?」

「あ!そういえばそうでした!この子達が迷子になっててこうして相手してあげてたら自分が迷子な事忘れてました~!」

「そうだったんですね。でも見つかってよかった。」

「あ!ママー!」


 と面倒見ていた子供も無事、母親が見つかった。

 ミッシェルに感謝を述べてその親子は会場の中へと向かって行った。


「あの子がママと会えて本当にヨカッタ。」


 とミッシェルの意外な一面と本人を無事見つけると次は、想火を探そうと成行がしてスマホを開くと十件の連絡が来ていた。


「あ、色々やったら想火ちゃんの事すっかり忘れた…」


 と今その頃に気付いた成行はとりあえず、想火に返信を返した。

 その連絡の時にミッシェルに無事会えたと伝えた。

 そして引き続き、想火の捜索に成行はミッシェルも連れて向かった。

 指示通り目印になる物を探しながらそして想火の周りにある物の写真をチャットで貰いながら探した。

 すると同じ物を見つけてあったとチャットで報告した。そして辺りを見渡すと想火が手を上げてそこに居た。


「おぉー!見つけた!想火ちゃんこっちだよ!」

「あっ!成行先輩ー!見つけてくれたんですね。」

「オー!ミス想火~!無事に合流出来マシタ!」


 そして成行は想火とミッシェルを連れてブースを任せていた琴美の所に戻った。


「帰って来た!おかえり!三人共!」


 と琴美迎えられそれぞれが持ち場に戻り、この後は業務は無事予定通り進んでいき、大型イベント一日目を無事三人は終えたのだった。

 果たして二日目はどうなるのだろうか。

それはまだ誰にも知る由も無い。

    

            続








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