92作目:ビー玉と彼女

 この中のビー玉を取って欲しい、と突きつけられたラムネ瓶。好きな女の子からのお願いに、されど俺は応えられなかった。取り方を知らなかったから。

 そんなことを思い出し、ラムネを眺める。今ではこのビー玉を取り出せるだろうけど。

「まあ、見ているだけでもいいかもね」

 大人になった君が、隣で笑う。

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