22作目:(自意識)Lサイズ

 アパレルショップでおすすめされた服を着て帰る。

 ショッピングモールで、交差点で、バスの中で。みんなが俺を見ている。どうやら服が俺の魅力を引き立てているらしい。ついに世界は俺という存在に気づいてしまったのだ。

「あ、あの」

 意を決した様子で女性が近寄ってくる。


「タグ、つけっぱです」


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