12-38【その夜】

ゴリたちはガイアを連れてソドムタウンに帰って行った。


俺はサイクロプスのミケランジェロと話をつけてから、ドワーフの村に帰ってきている。


どう話をつけたかと言えば、もうドワーフたちの家畜は襲わないってことだ。


ミケランジェロは了解してくれたよ。


なんでもサイクロプスは神族系モンスターだから、たまに飯を食えば十分らしいのだ。


なんとも省エネな胃袋である。


でぇ~、そのたまにが面倒臭くて、そこらに居る家畜を取って食ったことがあるらしいのだ。


神族だって、たまに飯を作るのが億劫な時だってあるらしい。


そんな時に、目の前を旨そうな家畜が歩いていれば、ついつい手が出てしまっても仕方なかろう。


だが、神族だって泥棒は泥棒だ。


盗みはアカンよね。


とりあえずもうしないって約束してくれた。


今度からは、腹が減ったらちゃんと狩りをするってさ。


それとだ──。


ミケランジェロに旧魔王城のことを訊いたら、いろいろと教えてくれたのだ。


なんでも現在の魔王城は廃墟同然らしい。


戦争でボロボロになったうえに、戦後何百年も人が住んでないから当然だろう。


そもそも城のサイズは人間用なのでミケランジェロは住めなかったらしいのだ。


だからミケランジェロは手頃な岩山に住んでいるとか──。


まあ、とにかくだ。


魔王城に住むなら大掛かりな修繕作業が必要らしい。


そのぐらいの予想はしていたけれどね。


それと今現在は、旧魔王城に魔物の一匹や二匹は巣くっているやも知れないと。


まあ、そんなこともあるよね。


何かが巣くってるなら退治するのみだ。


それとだ。


旧魔王城の周辺に町を作ったら、ミケランジェロも来ないかって誘ってみた。


むしろ町作りの作業を手伝ってもらいたいのだ。


建築用の大型機械が無い世界なのだから、ミケランジェロのような巨人が居てくれたら本気で力強い話である。


そして、ミケランジェロはそれを喜んで引き受けてくれた。


もう、一人で暮らすのが寂しかったらしく、それにガイアの側に居られるのも嬉しいらしいのだ。


魔王城の町にミケランジェロが居れば何かと心強い話しだ。


今後の町作りが楽しみである。


そして俺はドワーフの宿屋に借りた部屋から転送絨毯でソドムタウンに帰って来ると、ログハウスの自室でベッドに寝転んでいた。


ドワーフの宿屋のベッドは小さいうえに硬くて寝心地が最悪なのだ。


あれなら野宿と代わらないわ。


俺はログハウスのベッドに寝転び、ゆっくりと疲れを癒しながらステータス画面を開いた。


レベルアップしているので新スキルのチェックをしたい。


おおっ、今回は四つも覚えているぞ!


これって最高記録じゃねえ?


違ったっけな?


まあ、いいか。


どれどれ、どんな新スキルかな~。


まずは一つ目は~。


【ジャンピングスキルLv1】

跳躍力が向上する。


あー、今回は跳ねて飛んでばっかりだったもんな。


でも、これは機動力にも回避力にも繋がるからOKだぞ。


さて、二つ目は~。


【タフネススキルLv1】

耐久力が向上する。


あー、今回は殴られたり蹴られたりが多かったもんな~。


両足も粉砕されたしさ。


でも、これは生命線に大きく関わるからOKだよね。


さてさて、三つ目は~。


【アクロバティックスキルLv1】

空中での体勢コントロールの向上や着地の技術が向上する。


あー、書いてある通りなんだろうな。


でも、何かしら役には立つだろうさ。


さてさてさて、ラストの四つ目は~。


【ワイルドクラッシャーLv1】

すべての武器で、強打力が2.5倍された一撃を放てるようになる。一日に撃てる回数は、スキルレベル分だけ撃てる。


おおっ!


最後は強打系の攻撃スキルだね。


あっ、前回覚えたソニックウェーブを使うの忘れてたわ。


よし、明日になったら木偶相手に二つとも試し撃ちでもしてみるかな。


木偶は誰にしようかな~。


ゴリ、バイマン、オアイドス、それともカンパネルラ爺さんかな~。


まあ、明日はドワーフ村の村長さんにミケランジェロのことを報告して、それから旅立つ前に試し撃ちだ。


ラストはエルフの村だな。


魔王城エリアに入るためのゲートを守っている番人たちとかって聞いているが、どんな美人が出てくるか楽しみだぞ。


やっぱりエロくてセクシーな格好をしているのかな?


あたたたたっ……。


胸が、呪いが……。


さて、寝るか、今日は戦い疲れたぞぉっと……。


すやすや、すやすや……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る