新しい朝
興梠司
第1話 新しい朝
僕には何もなかった、僕を知る人はこの街に一人もいない。あの家から夜逃げをして2日がたった、両親は僕があの家から逃げたのを知っているだろうか?もしかしたら気づいてないかもしれない、両親は僕に興味が有るわけでなく、僕の成績と世間体にしか興味がないんだ、テストで90点をとったら怒られ、おしりを叩かれていた小学校時代、95点を取ったらご飯抜きにされてた中学生時代、もう100点じゃないと相手にされなくなった高校時代。
「大学には行く気がない」と食事中に言うと両親は顔面蒼白な顔をした、顔から血がなくなっていくようだった。そこから両親はヒステリックをおこし僕に殴る蹴るした。
両親には話してないから僕には付き合ってる年上の女性がいた、全部を全部包み込んでくれるような温かい女性だった、その女性は「大学行くのも大事だけど、高校出てすぐ働くのも社会勉強の一つだよね」とベットの上で呟いた。僕はそういう考えもあるのかと思い始め、大学に行かなくても良いんじゃないかと思い始めた。大学には行かないと決めた理由は、付き合っていた女性が死んだからだった。夜逃げする3日前に屋上から飛び降りて自殺を図った。女性と僕の家庭が似てて女性も18才のときに夜逃げをしてこの街にたどり着いたという、自殺する2時間前に親から連絡が来たと言っていた。亡くなったのは親のせいだと僕は思った。
僕は知らない街で誰とも関わらずに生きていきたかった、付き合ってた女性もいなくなったし、僕への理解者はいなくなったので僕も夜逃げをして辿り着いたのは、新宿だった、ネットで見る限り家出した人が集まるところがあるみたいなキジを発見して僕はそこに行くことにした、いわゆるトー横界隈でちゃんと家に帰ってる子もいれば、家に帰らず売春してる子達もいた。そこで仲良くなったのが結城という男で「俺はヤクザだ」というのが口癖の男だった、なぜか僕には優しくしてくれた、家がない僕に結城がもってる一つのマンションの一室を無料で貸してくれた。
結城は僕の気持ちを分かってくれる最大の相手だった。僕もヤクザになりたいと思ってしまった。理由なんてない、結城姿を見てるとかっこいいと思ってしまったのだ。
「結城さん僕もヤクザになれますか?」
「ヤクザになるのは簡単だけどその後が大変だぞ」
「理解してるつもりです」
「なら最初は俺と升かわすか」
「ありがとうございます」
形式的なのは無視をしてコンビニで売っていたワンカップを一本買って飲み交わした。
「これでお前は俺の弟だ」
「わかりました」
ここから僕のヤクザの伝説が始まる
新しい朝 興梠司 @asahina0606
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。新しい朝の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます