ライブ配信!異世界転移!?

黒羽冥

第1話ライブ配信シーン1


俺が目覚めると…そこはいつもと何一つ変わらない光景だ。眩しい陽射しがカーテンの隙間から流れ込んでくる。


「もう…朝か……。」


そう一言呟くと同時にいつもの日常が始まる。学生は学校へ行き勉強、社会人は会社へ行き仕事をしてくる事だろう…俺にはどうやらそんな生活は無理らしい…よって俺は社会の縮図に溶け込めていない、そんな俺が生きる為に何をしているのか…それは……。

「皆さんおはようございます!今日も始まりましたクロノのライブ配信へようこそ!ゆっくりしていけよな!」


そう、この言葉から始まる会話はインターネットで世界中の人達と会話できる『ライブ配信』をしている。

配信者名は『クロノ』いかにも俺らしい厨二病全開の名前でやっている。すると、パソコン画面にコメントが流れてくる。


『こんにちは!』

『おはようございます!』


等などリスナーのコメントが次々と流れてくる。

俺は普段通りの会話をこなしていく。

配信といっても俺の配信はライブ動画雑談などをメインに続けてきており今ではフォロワー1000人程にはなっている。

さて…今日はどんな話をしようか?


「皆さん来てくれてありがとう!今日は俺の好きなゲームの話でもしようかな?」


俺がそう声をかけるとリスナーからのコメントが返ってくる。


『僕は◇○✩が好きです!』

『私最近○◇◇◇にハマってます。』

「そのゲームも人気あるみたいだな!それも楽しそうだよな?」


俺は、そう話を返しながらパソコン画面のコメントをスラスラを見ていくと一つのコメントに目が止まる。


『クロノ!最近出た謎のオンラインゲーム知ってる?』


謎のオンラインゲーム?俺もゲームは好きな方で色々チェックはしてるがそんな話は聞いた事がなかった。


「それって何てゲーム??」


俺はそう問いかけ謎のオンラインゲームというコメントをくれたリスナーに問いかける。

リスナーの名前を見るとその名前は『カルマ』


(カルマ…か…何者なんだこいつ…?)


俺がそう思っているとカルマからのコメントではなく突然DMが届く着信音だ。

DMを確認するとそこにはリンクが貼ってある。

リンクの名前には『 ライブオブオンライン』?


初めて聞いた名だ。


「皆ちょっと待ってくれ!今届いたDM確認するよ!」

『了解!』『さっさと確認よろ!』等のコメントが流れている。

俺はスマホからDMを開くと、貼り付けられていたURLに接続する。

その瞬間…俺の目の前が突然真っ暗になる。


「なんだよ…これ!?」


俺の声にリスナーのコメントが読み上げとしてヘッドホン越しから聞こえてくる!


『どうした?』

『クロノ!?』

『画面が真っ暗になったぞ!?』


そんな声が聞こえたかと思った瞬間、俺の意識が遠のいていった……。

真っ暗な意識の中に何かの声が流れ込んでくる。

これは…リスナーのコメントか?


『クロノ?』

『大丈夫なの?』

『真っ暗なままだぞ!?』


コメントがヘッドホンから耳に入ってくる。

俺が目をゆっくり開けていくと、そこは暗い洞窟の中だった。


「何処だ?ここは…いてて…」


俺はゴツゴツした洞窟の中に寝ていたようで身体中が痛む。

すると徐々に目が慣れてきて次第に状況把握をするように頭が働いてくる。

そういえば、さっきからコメントが聞こえていたような気がしたけど…。

俺はヘッドホンに触れると着いていることが確認できる。

何故…俺はこんな所に寝ていたのか…ヘッドホンに向け、リスナーに声をかけてみる。


「皆!聞こえるか!?誰か俺の声が聞こえるのか?」


俺が問いかける事…数秒後ヘッドホン越しにコメントが聞こえてくる。


『おいクロノ!?そこはどこだよ?』

『クロノ!身体痛いって言ってたけど大丈夫?』


皆に今の俺の状況が見えていて声も聞こえているようだ。

つまり…これはまだ…ライブ配信中なのか?

俺はそんな事が頭に浮かぶ。


「皆、答えて欲しい!今…皆にどんな映像が見えているんだ?」


俺はヘッドホンマイクにそう声をかけるとコメントが聞こえてくる。


『そこってどこだ?』

『俺達にはクロノの姿が何かのカメラを通して見えてるのだが?』


そんな声がコメントとして聞こえてくる。


(まさか、俺の姿がライブ配信されてるって事なのか?)


それならばと俺はカメラを探すことにする。


「皆!俺が、どの方向から見えてるんだ?」


そう声をかけ周りを見回すとコメントが聞こえてくる。


『俺は斜め右上からだな!』

『私は正面からクロノが見えてるよ!』

『僕には後ろ姿が見えるよ』


などのコメントがヘッドホン越しに聞こえる。


(って事は、カメラはどこかにあり俺のライブ配信がまだ続いてるって事なのか?)


そんな事を考えてると、後ろから何かの気配を感じる。

すると…俺の耳に何者かの足音が聞こえてくる。


「ん?誰かの足音か?皆聞こえるか?」


俺は後ろを振り返り、遠目を凝らし足音のする方向を凝視する。


『クロノ!?』

『ちょっと…やばいんじゃないの?』

『誰なんだ?あの足音は!?』


そんなコメントが聞こえてくる。

すると誰かが俺のライブ配信時間に気がついた。


『クロノ!もう配信時間きれるぞ!』


そんなコメントが聞こえた瞬間…。

俺は、意識を失った……。

お読み下さりありがとうございます!

新連載作品『ライブ配信!異世界転移!?』皆様よろしくお願いします!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る