47.透明な彼女

 四畳半の部屋。生きてる真似事したって虚しいだけだよ。バンドマンになりたかった小さな少女に戻れたら。なんて嘆く彼女。惨めさが露呈するとどうしていけないの。言ったって仕方のないこと言わずにはいられない時は誰にだってあるでしょ。生きていてもたぶん死んでいても。挨拶がわりに自慢してるやつらよりずっとマシだよ。笑ってやるから君もどうか笑って。呻くより嘆くより歌って。うらめしくて卑屈な歌詞だっていいよ。楽しげなメロディーで全部包んであげる。この錆びたギターの音色で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る