45.アサガオ

 そうだよ。アサガオを殺したのは僕さ。純粋で単純な顔をして季節に居座る姿に嫌気がさしたの。とても愛していたけれど。愛していたのにね。そのあとには未来の種が無造作に一粒残った。あまりにセンセーショナルでセンシティブな愛に見えたから、その愛には気付かぬフリをして僕はそれを綺麗に食べてやった。やがて僕の中に宿り生まれくる未来が絶望かそれとも希望か。その答え合わせは暑さがやわらぐ頃。そう、これから一人でゆっくりとしなくちゃならない。今も涙に滲むのはあの日の味と香り。大丈夫。僕は君を忘れちゃいない。

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