42. Ridiculous!

 僕が真っ赤に染まっても彼女が真っ黒に汚れても君は素敵だね、と言うんだろ。愛や理解を含まない憐れみと慰めよりの感情で淡々と作業のように。一度も僕らのことなど目に映していないのになぜ。それが暗黙のルールだから仕方なく?それとも全て君自身の為?あるいは僕が思うより君はずっと深い愛の持ち主で世界の全てを慈しんでいるの?わからない。わかる必要もない。そんなことどうだっていい。だけど本物に飢えてる僕らはこうして勝手に空虚になる。


 君のようにならなきゃいつまでもこうなのだ。わかってる。わかってる。素晴らしい君を手本にして、クソ真面目な僕らは今日も自分を殺す為の親指を震わせている。

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