あなたに届けたいのはただそれだけなのです

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

もうすぐ桜が咲くね

あの日君と出会えたことは奇跡だったんだと思うよ

ただ隣で笑ってくれてるだけでよかったんだよ

なのに……どうしてなんだろうな……

私たちはきっと出会う運命じゃなかったよね

……それでも私は今でもずっと君のことが好きなままだよ

でもさこんなこと言ったら君は困るかな

(どうせなら)

もっと早く出会っていればなんて思うけど

(無理なことだってわかってても願ってしまう)

"もしも"を考えても意味ないんだけどね

あーあ

やっぱダメ

今日も言えなかった

明日こそは絶対言うわ

そう心に決めて眠りにつく毎日です

この気持ちをちゃんと伝えられるように頑張ろう

だから、もう少しだけ待っていてください

いつか必ず伝えに行くからね

それまで楽しみにしててください

あなたのことが好きでした

今も大好きです

だけど終わりにしなくちゃいけないんです

ごめんなさい

さよなら

ありがとう

愛してた

好きになってくれて本当に嬉しかったよ

忘れないよ

いつまでも

またどこかで逢えるといいな

そんなことを思いながら

別れの言葉を口にするのです

いつの間にか

あなたの声が聞こえなくなっていました

どんな表情をしてるかわからないけど

これが本当のお別れなんだね

それじゃあ元気でね

また逢いましょう

今まで本当にありがとう

さよなら

愛しい人よ

どうか幸せになってほしい

いつまでも

またどこかで逢えるといいな

そんなことを願いながら

別れの言葉を口にするのです

いつまで経っても忘れられなくて

まだ心の中は苦しいまま

でもこれでいいんだと自分に言い聞かせるのです

これからも変わらずにいてほしい

それが私の唯一の願い事

最後にひとつお願い聞いてくれる

私のことを少し思い出してほしいの

私はいつもここにいるから

いつでも待っているから

その笑顔のままでいてね

あなたにとって素敵な一日になりますように

私ができることといえばこれくらいしかないけれど

少しでも力になれたら嬉しいな

今年もまたこの場所にやってきたよ

去年よりも多くの花たちが咲いているみたいだね

毎年この季節になると

どうしても君のことを思い出してしまうんだ

今はどこにいるんだろうか

何をしているんだろうか

もしまた逢うことができたとしたら

その時は笑顔で話せたらいいな

桜の木の下に座って君が来るのを待ってみる

来ないことはわかっているはずなのに

それでも期待してしまう自分が嫌になる

桜の花びらがヒラリ舞っていくたびに胸の奥がきゅっと痛む

春風が優しく頬を撫でていくたびに切なさが増してくる

もう一度だけでもいいから会いたかったよ

叶うことならば時を戻してやり直させてほしかったよ

あの日別れた後ですぐに追いかけていたら何か変わっていたのかな

後悔しても遅いことはわかっているけど考えずにはいられないよ

桜の花びらがヒラリ舞うたびに涙が溢れ出てくる

今頃君は何をしているんだろうか

誰と一緒に過ごしているんだろうか

もう二度と会うことはないかもしれないけどずっと想っていたいよ

桜の花びらがヒラリ散っていくたびに想いが強くなっていく

君への気持ちを綴った手紙を渡したことを思い出すよ

あれはまだ寒い春の日のことでした

二人並んで歩いた帰り道

そろそろ帰ろうか

夕焼け空がとても綺麗だった

駅までの道の途中にある公園

ここでよく待ち合わせをしたよね

初めて手を繋いだのもこの場所でしたね

恥ずかしくてなかなか手を差し出せない私に君は笑ってくれたっけ

ベンチに座って他愛もない話をするのが楽しくて仕方がなかった

このまま時間が止まればいいと思った

一緒に過ごせる時間は限られているから

限られた時間の中で精一杯楽しもうって言ってたのに

結局は寂しくなって泣いたりしてたね

それでも最後までちゃんと付き合ってくれて本当にありがとう

今度はいつ会えるのかわからないけど

きっとまた笑い合ってたくさん話しができるといいな

そういえば二人で旅行に行ったりもしたね

お互い忙しかったからあんまり行けなかったけど

次はどこへ行こうかな

何しようかな

って考えてるだけでワクワクしてくるよ

あとどれくらいこうして一緒にいれるかなんて考えたくはないけど

それでもやっぱり不安になってしまうんだよ

だからせめて夢の中ではずっとそばにいたいな

君と過ごした日々を忘れないように胸に刻み込んでおきたい

たとえ離れていても繋がっていけるように

いつかまた君に会いに行くからそれまで待っていてほしい

それまで元気でいてね

いつまでも見守っていてね

君との約束を果たすために頑張っていくから

これからもよろしくね

さよなら

ありがとう

愛してた

好きになってくれて本当に嬉しかったよ

忘れないよ

いつまでも

またどこかで逢えるといいな

そんなことを思いながら

別れの言葉を口にするのです

いつまで経っても忘れられなくて

まだ心の中は苦しいまま

でもこれでいいんだと自分に言い聞かせるのです

これからも変わらずにいてほしい

それが私の唯一の願い事

最後にひとつお願い聞いてくれる

私のことを少し思い出してほしいの

私はいつもここにいるから

いつでも待っているから

その笑顔のままでいてね

あなたにとって素敵な一日になりますように

今日も元気でやっていますか

楽しいこと

いっぱいしてますか

私はと言えば相変わらずですよ

あなたのことを想うたびに胸の奥がきゅっと痛む

こんなにも好きになってよかったのかと自問自答しています

この気持ちは隠すべきなのか伝えた方がいいのかわからないけど

ただあなたの傍にいたいと願ってしまうのです

もしも私のこの想いを伝えたとしたなら

あなたを困らせてしまうでしょう

そして今のこの関係を壊すことにもなりかねません

でもいつか必ず伝えに行くよ覚悟しておいて

あなたのことが好きだということを

私たちはどうして出会ったんだろうなとか意味のないことをたまに考えるよ

神様のいたずらだったのか気まぐれだったのか

運命的な出逢いじゃないけど今はとても幸せなんだ

喧嘩したり落ち込んだり悩んだりすることもあるけれど毎日が充実している

どんなときでも味方だって言える関係だといいなと思ってたりするんだけどね

いつまで続くんだろうな

こういう関係はさ

いつになったらもっと素直になれるんだろ

本当はわかっているのに知らないふりをして逃げ続けている

自分の気持ちから目を逸らしているのは自分のためではなく

誰かのためなんだ

それは決して間違ってはいないと思う

でもそれは時に自分を苦しめることになるかもしれないということを

覚えていてください

いつの間にか二人の距離が開いてしまったんだね

少しずつ離れていってしまっていたんだ

何も知らずにいたのは私だけだったんだね

もうどうしたらいいのかわからないよ

教えてほしいよ

ねえ、どうしてなの

なんでこうなるの

いつの間にかいつの間にか

二人は別々の道を選んだ

すれ違うこともなくなっていたんだ

今更だけど気づいたよ

いつまで待っても

あなたからの連絡がこないということはそういうことだとわかったつもり

それじゃあさよならだね

私たちこれでおしまいですね

どうして

今までずっとありがとう

私の大切な人だったよ

大好きだった人よ

どうかこれからも幸せでありますように

いつまで経っても忘れられなくて

まだ心の中は苦しいまま

でもこれでいいんだと自分に言い聞かせるのです

これからも変わらずにいてほしい

それが私の唯一の願い事

最後にひとつお願い聞いてくれる

私のことを少し思い出してほしいの

私はいつもここにいるから

いつでも待っているから

その笑顔のままでいてね

あなたにとって素敵な一日になりますように

明日もまた元気で過ごせますように

桜の花びらがヒラリ舞っていくたびに涙が溢れ出てくる

今はどこにいるんだろうか

何をしているんだろうか

もしまた逢えることができたとしたら

その時は笑顔で話せたらいいな

そんなことを考えています

今年もまたこの季節がやってきたようです

あなたがいなくなってしまったことに気付いた時には

もう既に桜が咲き始めていたんですよね

あなたがいないことにだんだん慣れてきたような気がするけれど

ふとした瞬間に悲しくなるんだよ

春風が強く吹いた時なんかは寂しさが増す一方なんです

今でもあなたのことを想い出すと涙が出てしまうんだ

できることならば時を戻してやり直すことができたなら

もう一度二人で歩いていくことはできないでしょうか

もう二度と逢えないのだとはわかっているのに願ってしまう私は

どれだけあなたを愛していたか改めて知るのでした

これからも私はこの場所で過ごしていくのでしょう

春になれば桜を見上げて

夏の日には蝉時雨を聴いて

秋の夜には月明かりに包まれて過ごしていきましょうね

そして冬の寒さに耐えるのです

季節がまた巡ってくるのを待つのでしょう

桜の木の下で座って空を見上げると

まるであの日のような澄み渡った綺麗な青が広がるよ

君がいるだけで私の周りは輝きだす

一緒に過ごす時間はどれも特別で

いつまでも色濃く心に焼き付いて消えない記憶となるだろうな

君と一緒にいるだけでとても幸せな気持ちになれて嬉しいはずなのに

時々苦しくて切なくなるのは何故なんだろ

その理由をずっと探していたんだよ

君の好きな人のことを聞いた時から胸にチクリと痛みを感じ始めた

この痛みは一体何を表しているというの

君とその人と三人で過ごす時間が増えていくにつれて胸の鼓動が激しくなってきた

いつからだ

いつから君に特別な想いを抱いていたのか思い出すことができないくらい自然に

自然に惹かれていったみたいだよ

叶うことならばもう少し早くに出逢えていれば

なんて思うことはあるけれど今こうして一緒にいられることが

一番大事なんだよって思えるくらいには君のことが好きになっている自分がいたんだよ

他の人が君の隣にいて笑う姿を見て嫉妬してしまうことがある

そんな自分が嫌になって嫌になってしょうがないけど

君と離れてしまうことの方がもっともっと嫌だと思う自分がいることに戸惑いを覚えるのです

君がその人に向ける笑顔も優しく触れているところも全部嫌になってきて

仕方がないことに気づいてしまう自分は本当に最低だね

でも君のことを好きでいたいから

これからも変わらない気持ちのまま接していくから許してね

こんな私のことを少しでも気にしてくれるならばそれだけで十分幸せ

一緒にいてくれるだけで本当に本当に本当に本当にうれしくて涙が出てきたよ

君と一緒に過ごせる時間があとどれくらい残っているのかなと考える度に

切なくなっちゃうからあんまり考えたくないけど考えずにはいられないよ

もしも君を誰にも渡したくなくなったらどうすればいいの

どうやったら独り占めすることができるんだろ

考えただけで怖いんだけど

君のことが好きで好きで大切だから守りたいんだよ

いつまでも君を見ているから

私がずっと支えていくよ

これから先も

この想いが変わることはないと思うんだ

君がいれば何もいらないくらいに大好きなんだよ

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あなたに届けたいのはただそれだけなのです 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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