先輩彼女の赤面をみたい

抹茶ちゃ

ポーカーフェイスな先輩

俺は放課後になると決まって、半年前から付き合ってる1つ上の先輩とどっちかの家で映画を見ている。


今日も先輩の家でB級の映画を見る。


「先輩、今日はどんなクソ映画を見るんですか?」

「……今日はこれ」


そう言いながら無表情の先輩はDVDを見せてくる、今回もしっかりとB級臭ムンムンのホラー映画だ。


「よくこんなマイナーそうなDVD持ってますね」

「アマゾンでポチッたから」

「……流石、B級映画ジャンキー」


先輩は無表情で「君には言われたくない」と言い放つ。


うちの学校では先輩は有名、滅茶苦茶美人ってのもあるかもしれないが、もっと他に理由がある。

それは常に"無表情"だからだ、半年間付き合った仲でもこの表情筋が仕事をしている所を見たことがない。


時折、この人本当に俺の事好きなのか不安になってくるが、その時はしっかりと行動で示してくれる。(スキンシップ的な意味)


俺はこの人のこのポーカーフェイスが崩れた所が見たい!! だがどうすればいいのやら。


「ねぇ、映画始まるよ」

「あっはい」


考え込んでるうちに、DVDのセットが完了した先輩は、いつものように横に座る。 2人の隙間は拳1つ分くらいで、少し動くだけで肩が当たってしまいそうになる。


やはり少しばかし緊張してしまう、そろそろ慣れろと思うんだが、先輩が隣に居るだけで心の臓がドキドキしてしまう。



心臓の鼓動が正常になる頃には、映画は中盤に差し掛かかっており、ホラー映画特有のいらないベットシーンに突入する。


暗いコテージで無駄にイチャつくカップル。 この後死んぬだろうな〜と思いながら見る。


…………いや、今回は長くないか?

いつも見ているやつよりも濃厚と言うか、官能的と言うか、無駄にベットシーンに力を入れている。


流石にここまで来ると恥ずかしくなってくる。

先輩はいつもの如くポーカーフェイスなんだろうと、思いながら横目で見てみてると。


「……っ」


……先輩は表情筋は相変わらず働いてないが、頬が若干赤らんでいるように見える。 あの先輩が恥ずかしくなってるのか?


「あの、先輩大丈夫ですか?」

「……っ!? 大丈夫」


こっちを見て言う先輩の目は大丈夫じゃないと言いたげに、揺れている。 初めて見る表情。 初めて聞く戸惑いの声。

胸の奥でグッと熱いものを感じる。


「きょ、今日はここまで!」


先輩はチャンネルを素早く取り、イチャつき中のカップル画面から消す。


この場から早く逃げたい、といった感じで立ち上がる。


「ちょっと、御手洗に行ってくふ」


早足でドアに向かっていく先輩の手を、気づいた時には握でいた。


「えっ? きゃっ!?」


俺は先輩をベットに押し倒していた。 戸惑い、不安、そんな感情を先輩の顔から見て取れる。

当たり前だ恋人とはいえ急にベットに押し倒されるのだから、だが今自分でブレーキをかけれる気がしなかった。


「先輩好きです。可愛いです。 キスしますね」

「へ? やっんんっっ…………んっ」

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先輩彼女の赤面をみたい 抹茶ちゃ @matutya

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