神ノ世継

アストロ

プロローグ

……どれくらい寝てたんだっけ。

――23年と8ヶ月。


何かあったの。

――別に、平和なままだけど。


なんで起こしたの。

――流石にそろそろ起きなきゃ。あと10年くらいしかないわ。


"代替わり"? 勝手にやっといてよ。

――そういうわけにはいかないの。私には貴方が必要だから。


――ほら、起きなさいよ……


 その、感情の籠もってない声に懐かしさを覚えながらも、大人しく起こされてやる。眠気があるわけでも体が怠いわけでもないけど、"名残"で伸びをする。

 はあ。神への適性がありそうな人間を片っ端から集めていくなんてムリだよ。良いのがいたら見初める、婚姻形式でさせてほしい。いうて結婚相手見つけるのも見合いとかが主か。や、わかんないけど。

 仕方がないので観念して起きよう。もやのように濃密なマナあたしをうぞうぞと動かして、人のカタチにして、輪郭を大気から浮き上がらせて……


「ようやく起きたのね。ウース」

「おはよ、メア」


 そしておはよう。世界のみんな。

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