キミの最後の推理は〜中学1年編〜
雪花 涼麗
1章 入学
1-1
はじめまして。
2月1日より毎日1話のペースで公開しています。
この小説には4章から暗号を隠しました。
楽しんでいって下さい。
是非、暗号が分かった方はコメント欄で教えて下さい。
また、辛口コメントを下さい。
中学2年編を書く時の参考とさせていただきます。
こんな堅苦しい私ですが、よろしくおねがいします。
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俺の名は
探偵だ。
といってもまだ7歳である。
仲間は
「犯人は、貴方ですね。信田さん」
「い、いやそんな事はない、第一そんな証拠はでたらめだ」
「これはなんですか?」
俺が証拠を突きつける。
俺はそのまま不敵の笑みを浮かべる。
「な、なぜそれを!?それは確かに金庫に入れたはず」
「なるほど。金庫ね。これは偽物だよ。教えてくれてありがとう」
「こ、この、く、くそガキが―――!!!」
「え!?」
気がついときにはサーチエクスペンシブが床に血を流して倒れていた。
信田さんは手にナイフを持っていた。
俺のせいだ。
俺がサーチエクスペンシブに合図さえ出していればこんなことには・・・。
◆
それがきっかけで3人は離れ離れになった。
史上最年少の探偵を引退することになった。
そしてこの事は心の奥底に閉まっておくことにした。
誰がなんと言おうと、な。
絶対に。
5年後
≪次は
車掌さんのアナウンスがこの電車に乗っている僅かな乗客に知らせる。
俺はホームに降りて乗り換え、新狩場外環状線のホームに向かう。
間もなく快速特急が入ってくると電車に乗り込む。
俺は今日、中学生へ進学した。いや、進学する。
これから入学式だ。
おそらく学校に向かうであろう生徒の姿が時折見える。
5駅前後通過するとアナウンスが流れ始めた。
≪間もなく
電車を降りると学生の流れに乗る。
途中、総合図書館と書かれたバカでかい建物があった。
ここはなんでもあるな、と思いながら、納得した。
そりゃぁそうだ、今じゃ世界最大級の首都、
狩場には有名な山が2つ、カノスマ山とセリサ狩場山。
梅川には有名な会社が2つ、ノイシャワカナとニルカメットだ。
わかりやすく言うのであれば、狩場は観光、梅川は企業というイメージ。
徒歩で5分の位置に学校はあり、案内役の人がしっかり案内してくれたおかげで
方向音痴の俺でも迷子にはならなかった。
会場に案内されると指定された席に着席する。
間もなく入学式が始まる。
入学式と言えばお決まりの儀式があるそれは・・・・・・
「え〜皆さんご入学おめでとうございます。
皆さんのご入学を我々教員は待ち遠しく待っていました。
3年間しっかり勉強し、友情を育み、心地よい時間を過ごしてください」
校長の挨拶である。
この後もしっかり念仏のごとく聴いた。
これ以外に入学式はなにもないと言っても過言ではない。
時代を問わずこれは継承されるだろう。
「これで入学式を終わります。各生徒は各クラスの担任の指示に従ってください」
「それでは1組から順番に教室に向かってください」
案内が流れると担任が各クラスの座席の前に立つ。
俺ら、5組の前には
はぁ、ようやく帰れる・・・か。
俺は一息つくと席に座る。中央の前から2番目。
いや、一番目立つだろ、ここはよぉぉぉ。
「それじゃぁ、プリントを配布します。
次回の登校は2日後です。今日は是非家で勉強してくださいね」
先生は配りながら言う。
それで勉強するやつは相当いないんだよなぁと思う。
ま、俺はするけど。
勉強置いていかれるの嫌だから。
プリントは合計3枚。
ある意味今日はすんなり終わったのかもしれない。
俺はみんながちらほらと帰り始めたのにも関わらずプリントに目を通す。
内容は学年全員の名前と学年の担任・主任紹介だ。これも学年始めあるあるだな・・・・・・。
人が
今教室には俺含め2人。気まずい思いを感じながら教室を後にする。
駅に向かう途中で例の図書館に寄る。
中に入ると俺が知っているよりもとても大きい本棚が並んでいる。
これはスゲェな・・・・・・梅川のあの図書館よりデカいんじゃねぇか・・・?
梅川の図書館でさえあの大きさなのに・・・・・・。
一通り目を通したところで今日のところは駅に向かう。
俺が読み出すと止まらないからね・・・・・・。
自分で分かってるけど、長居するわけには行かないのでね。
◆
駅直結の高層ビル37階の家につくと自分の部屋で教材の整理をする。
もう夕食の時間か・・・・・・行くか。
「もう食事だろ?」
「えぇ、
「あいつ、多分寝てるからほっといたほうがいいんじゃねぇ?」
「起こしていいわよ。もう多分3時間は寝てるから」
少し躊躇いながらも陽菜の部屋の前に向かう。
だって
「おーい陽菜」
案の定、反応がない。
全くまっったあいつねてるのかよぉ。
起こすのめんどくさいんだよ。
特にこいつ。
「陽菜ぁ、起きろぉ」
俺が陽菜の体を揺らす。
陽菜は、う〜と言いながら右目から青い瞳をのぞかせる。
そして左目から黄緑色の瞳ものぞかせる。
陽菜は生まれつきオッドアイなのだ。
陽菜を連れて下へ行くと、食事の準備が整っていた。
夕食を食べると、シャワーを浴びて、部屋に帰る。
時間は19時30分。
半端な時間だな。図書館で勉強してくるか・・・・・・。
「ちょっと図書館に行ってくる」
「あら、珍しいわね」
「いつも大抵行ってんだよ」
「何時頃帰ってくるの?」
「勉強しに行ってくる、帰りは21時くらいじゃないか」
「陽菜も一緒に行っていい?本読みたいし」
「いいけど、勉強の邪魔するなよ」
「分かってるよ、陽菜そんな馬鹿じゃないし」
そんなこんなで陽菜と一緒に図書館に行く。
エレベーターがすぐ来れば家から約2分で行ける。
俺は入ると対面で2人席のテーブルを確保し、教材を広げる。
まず、初手でやるのは英語。
なにせ、初めてやる言語なので。
初めてやるのでまず英語の勉強に役立つ本を持って来る。
陽菜が『ミスターカロッグの悲劇』という分厚い本を読んでいる。
そして始まる勉強。まず最初『I』と『You』から始まり、一通り読む。
単語は簡単なものを最初に選んで読む。
気づけば20時半。時間がすぎるのは早いな。
「陽菜、そろそろ帰るよ」
「・・・・・・」
「聞いてますよ・・・・・・ね?」
これはダメだ。本の世界に行ってるよ。
俺と同じで止まらないんだよ、陽菜も。
本の四分の一も読み終わってないのかよ。
待つわけに行かないんだよなぁ。
少し待ってやるか・・・・・・。
半端なところで読み終えるのって確かに嫌だからな。
そう思い、数学を開く。
これはある程度知識でできそうだなと思い、自力で解く。
限界を迎えたのは方程式。
再度時計を見ると20時55分。
「陽菜、もう帰るよ」
「・・・・・・」
こうなりゃ最終手段。
「帰らないと母さんが怒るよ」
「――!!それは困る」
まだまだ純粋だなと思いながらエレベーターホールへ向かう。
家に帰ると陽菜はすぐに寝たらしい。
食事の前に寝てたのによく寝れるなと思いながら、部屋で勉強の続きをやる。
23時になると俺は布団に入った。
◆
5時に起きるとまず顔を洗い、着替える。
まずリビングに向かう。
「それじゃ、いつも通り行ってくる」
「行ってらっしゃい。朝食作って待っとくね」
「陽菜、行くよ〜」
「ちょっとまって」
陽菜が靴を履き、こっちに走ってくる。
朝は1時間程ランニングをする習慣がある。
そのコース約6km。
俺と陽菜は最初のうちは辛かったが、今になっては余裕になっていた。
最近になっては約倍の11kmくらい走る。
家に到着すると、朝食がいつも通りできていた。
朝食を済ませると、部屋に戻り定期を取りに行く。
定期を持ってくると陽菜の部屋に行く。
どうせ嫌でも付いてくるんだろう!?
「陽菜〜図書館行くか?」
「どこの?」
「狩場中央図書館。行くか?」
「絶対に行く」
「じゃぁ準備しろ」
「は〜い」
やはりそうだった。
帰ってきた時に質問攻めに会うよりはいいか・・・・・・?
俺はリビングに行く。
母さんは食器を洗っていた。
「どこか行くの?」
「ちょっと陽菜を連れて図書館へ行く」
「どこの?」
「狩場中央図書館まで行こうと思う」
「分かった。何時頃帰るの?」
「夕方には帰るよ。そうしないと予報じゃ雨が降るしな」
今日の朝の天気予報で天気予報士のお姉さんが
確かだけど夕方4時頃から雨が降るでしょう、って言ってたからね。
陽菜を連れて駅に向かう。
ホームに滑り込んできた快速特急に乗る。ここから梅川東まで乗る。
今日は朝からくもっているが、ところどころ晴れ間も見えている。
陽菜は電車に揺られて気持ちよさそうに眠っていた。
俺はと言うと降車駅が次に迫る中で必死で陽菜を起こす。
なんとか乗り換えに成功し、
外環状線・
徒歩約1分で狩場中央図書館に到着する。
昨日と同じく俺は座席を確保し、教材を広げ、陽菜は昨日と同じ本を読む。
日が高くなってくると、腹が減ってくるもの。
俺は陽菜に訊く。
「陽菜、食事に行くか?」
「陽菜はお腹へったから食べに行きたい」
そして図書館を後にして近くの飲食店に入る。
昼食は2人でそれぞれパスタを食べた。
図書館に戻り、再び勉強をする。
ある程度勉強ははかどり、午後3時に時計の針が近づく。
「陽菜、そろそろ雨降るから帰ろー」
「分かった」
陽菜は昨日とは別人のようにあっさり本をしまいに行く。
こういうところがまだ可愛いんだよな・・・。
図書館を出て歩いているときに水滴が頬に落ちてきた。
「あ、雨」
陽菜が気づいたように言う。
雨は一気に降ってきた。
「これはやばい」
俺と陽菜は全力で駅に向かう。
駅につくと体に張り付く服を気持ち悪いなと思いながら電車に乗る。
家につくと、陽菜に風呂を譲り、俺はリビングで教材の整理をする。
陽菜の次に風呂に入り、部屋に向かう。
明日の準備をしていると、陽菜にご飯だよと呼ばれた。
夕食を食べていると陽菜が呟く。
「今日は災難だったな・・・・・・」
「陽菜、そういう日もあるぞ」
父さんが陽菜が雨にあったと聞いて昔はもっとひどい経験をしたんだ、といい語ってくれた。
父さんが子供の頃は周りに田んぼがたくさんあって、そこで遊んでいた。
しかし、雨が降ってきた。
雨に濡れるだけなら良いが、足元がぬかるんで身動きが取れなくなって、
そのまま30分くらい友達と助けを呼んで助けてもらったそうだ。
家族の笑い声が食卓に響く。
そして明日に備えようと思い、早めに寝た。
◆
早めに寝たのが効き、朝は4時頃に起きる。
こんなに早く起きたのは初めてかもしれない。
仕方ないね。
学校の登校時間とルーティーンを考えるとこれくらいになるから。
「それじゃ、俺はランニングに。陽菜はまだ寝かしといて」
そう告げるとランニングに出た。
≪To The Next Story...≫
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