靴
何かが間違っていたような気もするし
全てが正しかったような気もする
とにかく私は窮屈で
いつも裸足になりたがった
外反母趾で掴んだ砂は
いつもぬるく湿っていた
踵の潰れた靴に憧れたこともあった
だけど靴紐はきつく締めたまま
気づいたら脱げなくなっていた
12時の鐘が鳴って
階段を駆け降りた時も
私の靴は脱げずに馬車へ飛び乗ったし
その片方が欠けることは一度もなかった
いつも完全な姿であることを望まれる
それ以上に窮屈なことが他にありますか
退屈すぎてたまらない
冗談じゃない
私は今この靴紐を解いて
水の上だって歩いて見せる
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