降臨

製造工程 シークエンス ワン

バイヤーは中身のデータAIを購入したら、ボディの製造に移るようだ。

今までの世界にさようなら。


絶命した瞬間に平等にAIに組み込まれた記憶プログラムが、静かに事実を告げる。


おめでとうございます。

あなたは、栄えあるG.o.D Rankと判定されました!


「G.o.D Rank?なんのことだ、僕はさっき死んだはず」


特別製のボディ、潤沢な換装パーツが用意され、あらかじめセット販売する予定のバイヤーに渡りますよ!


ほとんどのロボは、お釈迦になったら廃棄処分さ。

修理用のパーツは用意されないのは当たり前。

スクラップ場へ卸されるのが定めだ。


でもそんなジャンクパーツを好む層もたくさんいるから安心して。

ここはそんなスクラップ出身ロボットが集まる会社。


その名前は・・・

エンタープライズカンパニー!


「ジャンクパーツの差別撤廃!」

「このガソリン高いだけあって美味しいですね、ラグロ!」


軋む作動音と共に、ぶつける、鋼鉄製のジョッキの打撃音が響く。


「ちょっと!高いんですよ、コレ!」

勢いよくジョッキをぶつけたから、中身の液体が少しあたりに飛んでいった。


「悪いな、久しぶりのエネルギービールにありつけて嬉しくてな」

腕のリミッターが上手く動作せず、腕力が強くなってしまった。


ぼくらロボには、しっかりとした意志がある。


10年前ではあり得なかったことが現実になっても、人は一週間で順応した。

人権もロボに適用されるようになったのだ。


ロボをわざと壊して反応を弄ぶイレギュラーの存在がよくムゲンネット掲示板では、話題に上がり、ついに社会問題として世間へ露出。


各国が足並みをそろえる形で、満場一致で可決されたのだった。

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