第3話 2022年10月23日23:25(1)

以前は希死念慮が込み上げても自殺する決意に至るまで何層かの思考の壁のような物があった気がするのだが、ここ最近はもうその壁のようなものはなく、色々とやかく考えるのも面倒なので死んでしまおう、という気持ちになってしまうことが増えた。

きっとちょっとしたきっかけさえあれば多分ぽんとその死への境界線を渡ってしまうんだろう、という最近自身へのそんな客観視を感じる。

まあでもむしろここ何年自分の希死念慮と戦ってきた割には今までやってきた方だろう。

仕事休んで自分のことを休ませる暇を与えればよかったのに、休むチャンスが2回あったにも関わらず、ここまで走り抜けてきてしまった。

学生時代にリストカットをし、大学で希死念慮を抱え社会人で適応障害、神経性不眠症、うつ病一歩手前、そこまでやって病院に行って治す気もなく、ここまで1人でやってきた方だろう。

私より不幸でつらい人が多数いることも頭ではわかっているが、この希死念慮と闘うことのつらさ、それを抱えながら未練のない生を謳歌する煩わしさ、これらは当事者にしかわからないし、結局全てのこと、全ての人間に対して言えるのは当事者にしか真実はわからないのだ。

私が自殺しても私にしか理由や真実はわからない。私にとって死は幸せだが、これを他人が100%理解するのは不可能なのだ。

もう他人に私の死を肯定的に受け取ってもらおうと思う傲慢さはやめよう。

母が私に生きてほしいと思うのも、私が私の死を肯定的に受け取ってほしいと思うのもどちらも本質は、当事者にしかわからない傲慢で身勝手な我儘なのだから。


2022年10月23日23:25

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