夜空に浮かぶ月

ツキミ

第1話 放課後

ある冬の寒い日の事。この日は,

冷たい風が吹いているせいか

外は,ひんやりしていた。

智夏は,いつも通り学校に行って

授業を受けていた。

「キーンコーンカーンコーン」

放課後を知らせるチャイムが

校舎中に響いていた。

智夏は,鞄に荷物入れて

帰る準備をしていると

「蔓井さんだよね。よかったら

一緒に帰らない?」

同じクラスメートの女の子が

智夏の顔を見てにっこり笑いながら

誘ってきた。

「ごめんね,今日は,無理かな」

智夏は,そっけなくそう言うと

「そっか,また今度だね」

女の子は,ニコッと笑いながら

そう言って教室を出た。

智夏は,そのあと教室を出て

下駄箱で靴を履き替えて

ゆっくり歩いていた。

門の近くに行くと

正門の前に白い何かが見えた

智夏は,恐る恐る近づくと

そこには、真っ白なきれいな毛で

首には,三日月の形をした

チャームがついているうさぎがいた。

智夏は,誰かが飼っているうさぎが

逃げ出したのでは,ないかと思い

少しずつうさぎに近づいて

捕まえようとした時だった。

丁度うさぎと目が合うと

うさぎは、細い道に向かって

走り出した。

「待って」

智夏は,そう言いながら

うさぎを追いかけた。


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