第20話 きつねうどん

皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、雑貨屋店長のユウです。



本日の雑貨屋は定休日ですので新作料理の試作をしようかなと思っています。


山本夏美さんが色々なお店でアルバイトをしていたお陰で、私の知らない料理のレシピを沢山入手出来ましたからね


私は料理レベルがMAXなので技術だけなら、三ツ星レストランのシェフにも負けない自信があります。


ただし、私が知っているのは家庭で手軽に作れるレシピですので、専門店と比べるとどうしても味に差がががが(悲)



ですけれど、山本さんのお陰で『オムライス』や『ナポリタン』等の昔ながらの喫茶店メニューのレシピが手に入りました。


更には私が食べた事も見た事も無い洋菓子のレシピも入手出来ましたので、ミシェルさんにも喜んで頂けるでしょう♪



洋菓子に関しては雑貨屋の隣の建物をミシェルさんが買い取って、住居兼お菓子屋さんとするべく全力で改装中です。


数日前からメロンパンの移動販売をしている山本夏美さんに住んで貰って、お菓子を量産していただく計画かと思われます。


山本さんも収入が安定しますし、ミシェルさんも楽しそうですから、自然と私も幸せになって良い事だらけで何も問題ありません♪



コンコンコン


「誰か居てはりますか~?」



おや?


定休日の雑貨屋にどなたか来たようですけど、あの独特の喋り方と聞き覚えのある女性の声はもしかして、、、



ガチャッ!


急いで雑貨屋の扉を開けるとそこに居たのは


銀色に輝く髪の毛を腰まで伸ばし、白い着物を着た女性の姿に思わず私も笑顔になります。



「やはりヨウコさんでしたか、お久しぶりですねぇ♪」


「ユウさんお久しぶりです。大したもんやないんですけど、雑貨屋の開店祝い持って来たんで受け取って下さい」


「ありがとうございます。どれどれ、小麦粉、大豆、にがり、昆布ですか、これってどう考えても開店祝いじゃなくて、お揚げさんを乗せた『きつねうどん』を作れって事ですよね?」


「なんのことやらさっぱり分かりませんけど、昆布はユウさんも欲しがってたんやから、いけずな事言うたらあきません(笑)」


「昆布は欲しかったので助かりますけど、出来ればカツオも欲しかったですね」


「リッちゃんに頼もうと思ったんですけど、あいにくと留守でしたから」


「仕方ありませんね、醤油はあるので昆布だけでも大丈夫でしょう。さあさあ遠慮せず中に入って下さい。ミシェルさんもヨウコさんに会えるのを楽しみにしてましたから。」


「ほんなら今からミッちゃんとお風呂に入らせて貰いますね♪」


「ごゆっくりどうぞ」



「ミッちゃーん、一緒にお風呂入ろ~♪」



ふふふっ


ヨウコさんと会うのは半年振りくらいですけれど、ミシェルさんとは初対面の時から一緒にお風呂に入る仲でしたねぇ。



私とミシェルさんは雑貨屋をする前に旅をしていた時期がありまして、その道中に立ち寄った稲荷神社に『油揚げ』をお供えした事がきっかけでヨウコさんと知り合いました。


稲荷神社に住んでいたヨウコさんの本当の姿は狐で、いわゆる神獣と呼ばれる存在なんですけど、、、


ヨウコさんは暇だったんでしょうね(笑)


米のお酒をあげるから一緒に旅をしたいと仰って一緒に旅をする事になりました。


おそらく皆様は既に気付いているかと思いますが、ヨウコさんの目的は旅では無く『油揚げ』を毎日食べたかっただけです。



ヨウコさんを旅の仲間として迎えた私達3人は、魔王さんや他の神獣さん達に会いに行ったりと


今思い出しても、なかなか刺激的な旅でした♪


そうそう、ヨウコさんと同じ神獣のリヴァイアサンの『リッちゃん』には大変お世話になりました。


なんせ海の底に行くには、リッちゃんの加護と案内が必須でしたからね


そんな事情を知らない私達はそのまま海の底にある神殿を目指してしまい、危うく死にかけました。あははははは♪



さてと


ヨウコさんの持って来てくれた開店祝いできつねうどんを作りま、、、


そろそろお別れのお時間が来てしまいました。



次回の雑貨屋は


『カレーライスにサービスで付いてるサラダは拒否出来ますか?』


をお送りするかもしれません。



※予告内容は変更される場合があります。御了承下さい。





ここまでお読み頂きありがとうございました、次回まで皆様お元気で。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る