第17話 魔法って本当に便利ですね♪
皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは、魔法使いのユウです!
早速ですが前回雑貨屋にやって来た日本人転移者の山本夏美さんを、異世界で生活出来るように仕事を探します!
れっつごー!
「すぅ、すぅ、すぅ、zzz」
どうやら山本さんは相当疲れていたのでしょうね、リラックス効果のある紅茶を出したら飲んで直ぐに眠ってしまいました。
私としては好都合ですけれど。
眠る前に少し話をしたところ山本さんはこちらの世界に来た時に、運悪くゴブリンがテリトリーとしている森に出現してしまったらしいです。
ゴブリンに見付かりながらも無事に逃げ切れて本当に良かったですよ、捕まってしまうと死ぬより辛い事になりますから。
そんな恐怖体験をした山本さんは、人の住む場所を探して2日ほど飲まず食わずで夜通し歩き続け、今朝ようやくこの街に着いたそうです。
魔法で結界を張れる私でも、虫天国と化す夜の森でゆっくり休むなど恐くて出来ませんからね、心中お察しします。
「ユウさーん、お話は終わりましたかー?」
おっと!
雑貨屋のレジを任せていたミシェルさんが来たという事は、そろそろお昼の時間ですね
思った以上に号泣する山本さんを落ち着かせるのに時間がかかってしまいました。
「ミシェルさん、実は少々面倒な事になってます。こちらで眠っている女性、山本夏美さんは『落ち人』です。」
運悪く異世界に来た人を、こちらの世界では『落ち人』と呼んでいます。
旅をしていた時に『落ち人』の話は聞く事もありましたけど、実際にお会いしたのは山本さんが初めてです。
まぁ『落ち人』はチート能力が無い普通の人らしいので、目立たず静かに暮らしているはず、なので出会う機会が無いのも当然でしょう。
「そうでしたか、このまま放り出す訳では無いんですよね?」
「勿論です!山本さんの記憶を覗いて、役立つ知識が無いか探してみます。」
「是非、美味しいお菓子の記憶を!」
「あの、ミシェルさん、私の世界でも自分でお菓子を作る方というのは多くありませんからね」
「承知しています。お菓子屋さんを建てる費用は私が出しますから、ユウさんは心配無用です!」
「いや、あの、そういう事では(汗)」
これはもう、山本さんにお菓子の記憶がある事を祈るしかありません!
魔法発動、セイッ!
どれどれ、、、
ほぉほぉ、これはまた凄いですねぇ
予想した通り山本さんは日本人の大学生でした。そしてお店が忙しい時期だけの短期バイトを沢山していたようで
喫茶店、カフェ、スペイン料理屋、他には各種ファーストフード店
等々でキッチン担当をしています。
ふっふっふっ
私はこれでも『勇者』ですからね無駄に能力が高いのですよ♪
だがら記憶の中であろうと山本さんが料理をしている場面を見れば、使われている調味料はミリグラム単位で分かりますし
山本さんの料理技術も『見て』完璧に覚えましたから、料理のレパートリーも格段に増えました♪
「ユウさん、どのようなお菓子の記憶がありました?」
「色々とありましたけど、先ずはメロンパンの移動販売を試してみましょうか」
「メロンパン?よく分かりませんがとても美味しそうな予感がします♪」
ミシェルさん
お菓子の記憶ありきで話を進めるのは、さすがに山本さんに悪いので止めて欲しいなぁ
だがしかし
これで山本さんのお仕事問題も解決です。
次回の雑貨屋は
『爆誕!異世界式キッチンカー』
をお送りします!
ここまでお読み頂きありがとうございました、皆様次回までお元気で。
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