②ヤンデレ侍、好きにて候

南川 佐久

第1話 プロット


【参考タイトル】

ソーシャルゲーム「ブルーアーカイブ」のキャラクター、ワカモ。及び自身の連載作品、『ヤンデレ侍、好きにて候』より。

https://kakuyomu.jp/works/16817139557458791437


【世界観】

 魔王や魔族、勇者やギルドが存在する中世ヨーロッパ風のスタンダードな異世界で。マイヤという最強美少女剣士のヒロインと、その幼馴染の平凡少年ルデレが、ギルド冒険者として生計を立てている。

 冠位グランデという冒険者の全15階級のランク制度があり、下からブロンズ、シルバー、ゴールド。そのさらに上に12種の階級が存在する。冠位は数が少なくなるほど凄い。(冠位1位=最強。剣士や魔術師、薬師などの主要なジョブ毎に世界に五人いるかいないか)

※本作はラブコメが主体のため、冠位はあくまで主人公とヒロイン、敵キャラなどの実力差を示す指標に過ぎない。


【主要キャラクター】

①ルデレ=デレニア(主人公・男・14歳)

 東の辺境にある田舎町の薬屋出身。両親は10歳のときに世界中の植物を研究する旅に出てしまったため、ギルドに登録して冒険者という名の荷物持ちをしていた。

 非力で剣の腕もずべずべ。親の影響で、薬草に関する知識だけは人より少し上。

独り暮らしが長いせいか、生活の知恵はそれなりに豊富。


(外見)薄茶の髪。低身長で童顔のもやしっ子。一人称は僕。


(性格)大人しく優しい。割に合わない仕事でも困っている人がいると助けてしまう。おかげで彼のギルド『夢負い人』は何でも屋として町で信頼を得ていたが、マイヤの手により滅ぼされた。


(台詞)「えっ……僕、無職ってことですか?」

「ちょ……えっ!? マイヤ近いよ……僕もその……一応、男だし……」

「……ダメだよ、マイヤ。そうしたら、僕に何かあったときにきみも死んでしまうじゃないか。……それじゃあダメなんだッ!!!!」

「お願いだよ、マイヤ」

「ふふっ。マイヤ可愛い」


②マイヤ=ヤマイカ(ヒロイン・女・14歳)

 街の片隅の商家生まれ。ルデレとは生まれた時から隣家に住む幼馴染。

 四歳で剣の腕を見出され、一級の剣聖である師匠に稽古をつけられる。10歳から12歳までは師匠と旅をしていたため、ルデレとは離ればなれに。

 13歳でルデレの住む町に戻り、以降は高難易度クエストをソロでこなしながらルデレを眺める日々を送っていた。

 太刀筋が閃くその様から、『銀閃のマイヤ』の二つ名を持つ。


(外見)腰まで届く長い黒髪、紅の瞳。

 膝上のミニ丈和服、おっぱいは零れ落ちそうなFカップ。

 吸血鬼になったあとは銀糸に紅眼。銀髪紅眼は吸血鬼の特徴でもあるため、ルデレの開発した染粉で髪を染めて隠している。


(性格)ルデレのことが大好きなヤンデレ。

そのほかの物事にはさして興味をしめさず、一級剣聖などという名誉や肩書よりも、ルデレのパンツの色の方が気になるお年頃。

目的の為には手段を選ばず、ときに冷徹。「ルデレが望まないから」という理由でこれといった殺しはしないが、魔物相手になるとどこか嬉々として剣を振るう。

『剣聖は物事の流れを風で読む』と噂されているが、本人的には気配や匂い、勘が鋭いだけである。ルデレに近づくメスの匂いにも敏感で、すぐに殺意を抱く。


(台詞)「私のことは……そうねぇ。『ヤンデレ侍』とでも、名乗っておこうかしら?」

「ねぇ、ルデレくん。今日は何色のパンツ履いてるの?」

「なにあいつ。ルデレくんに対してメスの顔しちゃって……ぶった斬りたい」

「ルデレくん! ルデレくんっ! ああ、すっごくいい匂い……!」 

「私……もう、ルデレくんなしでは生きられないの」


③ネトレール=レルラレーレ=リリィローズ(サブヒロイン)

外見12歳。吸血鬼は不老不死のため、実際は不明。おそらく百歳近い。

吸血姫リリィローズに血を与えられた『家族』。

ある降霊術師の屋敷で性奴隷として監禁されていたところをマイヤたちに救われる。

以降は、自身を捕らえて降霊術師に引き渡した剣聖(マイヤの師)への復讐をするためマイヤたちの旅に同行。

魔族の自分を夜通し看病してくれたルデレの心根に感動し、惚れてしまう。


(外見)肩まである銀髪紅眼。普段は染粉で薄水色に染めて、人のふりをしている。


(性格)わがままで残忍。吸血鬼の自分にとって人間はただの餌だと考えていたが、奴隷生活の最中自分を庇ってくれた降霊術師の娘に感謝し、考えが変わる。彼女のことを友達だと認識し、「心を許した者は人間であれ何であれ大切にしたい」と思うようになった。


(台詞)「わぁん! おかあさまにぶたれたぁっ! お母様にも殴られたことないのにぃっ!」

「じゃあ、ルデレお兄様にお願いしようかなぁ~♡」

「何って、誘惑ですわ。人を魅了し、血を求める。吸血鬼の嗜みですわよ」


【物語構成】

序章と終章を含む、全7章構成(全12万文字程度。文庫一巻)。


◆序章

冒頭。マイヤが吸血鬼になり、ルデレに覆いかぶさって「私の全てはあなたのものよ」と囁く。なぜそうなってしまったのか?を一章と通して紐解いていく。


◆一章 

 マイヤの手によりルデレの所属していたパーティが壊滅。ルデレは唐突に無職になってしまう。それが一級剣聖『銀閃のマイヤ』のせいだと知りもしないルデレの前にマイヤが颯爽と現れ、荷物持ちの仕事を依頼する。

 久方ぶりにルデレと共に行動できることに内心で歓喜するマイヤ。本当は「パーティを組もう」と言いたいが、天と地ほどもある実力差に遠慮するルデレは、頑なにパーティを組んでくれない。たとえルデレに「好きだから一緒にいて欲しい」と素直に告げたところで、今のままでは気休めや憐れみに思われかねない。

 そこでマイヤはある作戦を思い立ち、ルデレを高難易度クエストに誘う。


 魔王の配下である吸血鬼が潜んでいるかもしれないという廃墟の探索に赴いたルデレ達。マイヤはその地下に潜み傷を癒していた吸血姫リリィローズを叩き起こし、「私に吸血鬼になる呪いをかけろ」と脅す。

 元より瀕死で抵抗する術をもたない吸血姫はその提案を受諾。『初めて血を吸った者』以外の血を受け付けなくなる『永遠の誓いエンゲージ』と呼ばれる。愛の呪いをマイヤにかける。しかしその呪いは同時に、世界各地にいる『リリィローズの家族を必ず守る』という条件つきの呪いだった。

 「世界とルデレくんなら、私はルデレくんを選ぶ」。マイヤは目論見どおり吸血鬼になり、ルデレなしでは生きられない身体となった。


◆二章

 魔族は残忍で狡猾な人間の敵。マイヤが吸血鬼になったとバレれば人間によって退治されてしまう。マイヤを匿うようにボロアパートで暮らすようになったふたり。無職のルデレはマイヤがこっそりとこなす依頼の報酬で生活費を得、マイヤはルデレの血で生きる。共依存関係となったふたりはイチャイチャと甘い生活を――と思いきや、ルデレは「呪いを解こう」と言い出す。そのためには、伝説の薬草『吸血鬼の涙』が必要だと。

 自分が死ねばマイヤが飢え死ぬ現状を許せないルデレと、呪いを解きたくないマイヤ。マイヤは内心を隠しつつルデレと旅に出ることに。

 暮らしていた田舎町を出たふたりは大陸に渡り、降霊術師の屋敷で吸血姫の家族、ネトレールを仲間に加える。殺したくても殺せない泥棒猫が加入。マイヤはやきもきする。


◆三章

 吸血鬼の呪いを解くため吸血鬼伝説の本拠である西の国を目指す一行。

道中野盗に襲われると、マイヤの窮地にリリィローズの長男ドラコ=マザコニア=リリィローズが現れた。マイヤのことを「お母様の匂いがする」といって抱き締める彼に、ルデレはもやもやとした感情を隠しきれない。

それが嫉妬だと気づくこともないまま、ルデレとマイヤはドラコに恩義を返す為にある作戦に参加することに。その作戦は、ピラミッドを思わせる巨大遺跡『不死者の都』を魔族の手に取り戻す奪還作戦『人類討滅戦』だった。

 作戦により人間側と魔族側に分断されるルデレとマイヤ。マイヤの奮戦により作戦は魔族の勝利となるが、ドラコ(吸血鬼)の毒霧への特効薬を開発し、後方支援の薬師として活躍したルデレはギルドに六級薬師として認定される。六級は、戦争にて優先的に招集されるレベルだ。


◆四章

 薬師としての頭角を徐々にあらわすルデレ。彼の周りに人と信頼が集まることを複雑な思いで見守るマイヤ。「ルデレくんは、私だけのものなのに……!」

 先の討滅戦での太刀筋で正体が吸血鬼だとバレたマイヤは、世界最強の剣聖『俊閃のギリダ』に命を狙われる。世界最強には一歩届かず、ギリダの主、二級魔術師ゲスツィアーノの元に軟禁されてしまう。

 「吸血鬼が不老不死というのは本当か?」ゲスツィアーノによって人体実験と暗部の仕事を強いられる毎日。マイヤを救うために、ルデレは自身の血を使った(マイヤにとっての)栄養ドリンクを不死の良薬と称してゲスツィアーノに差し入れる。それを飲んだゲスツィアーノは瀕死の危機に。ギリダに乞われてゲスツィアーノを助けたルデレは、裏で人々を苦しめていたゲスツィアーノの逮捕に貢献し冠位二級に。上級の魔術師らと関わるようになったことで、吸血鬼の呪いを解く方法もなにか糸口を掴んだようだ。マイヤはますます焦る。

 だが、他でもないルデレが「きみの役に立てて嬉しい」と笑うので、絆されてしまう。


◆五章

 一級の薬師になるにはひとりでドラゴンを倒す試験を突破せねばならない。非力なルデレには到底無理だろうと思われたが、フタゴボシという二体一組で同調する魔法生物を使ったドーピングを用いれば不可能ではない。

 フタゴボシを捕獲して煎じた薬によって、ルデレは一時的にマイヤの動きをトレースする技術を身につける。そうして一級の薬師となった。

「マイヤといれば、僕はなんだってできるんだ……」

自身が強くなりたいと願っていた意味が、「マイヤの隣に立つためだ」と気づいたルデレは、「僕も、マイヤなしでは生きられないよ」と告白。歓喜に泣き崩れるマイヤだったが、同時期、想いを募らせたネトレールがルデレに告白。花畑に呼び出されたルデレは断るが、「手に入らないのなら、死んでちょうだい」と殺されそうになる。


 ルデレの後をいつもの如くストーキングしていたマイヤは、ネトレールの前に立ちはだかる。でもネトレールは『家族』だから殺せない。逡巡するマイヤにネトレールの魔手が迫り、ルデレは咄嗟にマイヤを庇って致命傷を負った。

「ずっと、夢だったんだ。いつかこの手できみを守るって……」

 願いが叶うと同時に散りそうになる命を前にして、マイヤは最上の想いを込めて「愛しているわ」と涙をこぼす。落ちた雫が花畑を白く染め上げ、花は『吸血鬼の涙』という薬草へと姿を変えた。

 あらゆる傷と呪いを癒すという薬草『吸血鬼の涙』を手に入れたふたりはネトレールを打ち倒し、花畑とふたりの世界に埋もれるのだった。


◆終章

「どうしてマイヤは、そんなに強いの?」

 その問いに、マイヤは不敵に笑う。

「さぁ……それは私が、ヤンデレ侍だからかもね♡」

 ヤンデレ侍、好きにて候――

 そう。全ては、彼への愛の名のもとに。

 マイヤの呪いが解けたら告白しようと思っていたルデレは、マイヤに想いを告げるとともに婚約指輪を手渡す。

 『吸血鬼の涙』によってマイヤは人間に戻った。

 ふたりきりの生活に元通りとなったルデレとマイヤの手には、銀の指輪が閃いているのだった。


◇二巻以降は、ルデレとマイヤがギルドの別案件に長期派遣され、遠距離恋愛状態に。ルデレに新ヒロインが急接近していると風の噂で聞いたマイヤが七つの海を越えて地獄の果てから追ってくる、ヤンデレラブコメを描く。

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