第2話 夫婦

私の名前は、崎戸 沙耶華(きど さやか)。27歳。


結婚歴、4年。


まだまだ仕事を続けたいが為、結婚しても仕事一筋にやってきた。


でも時々、そろそろ子供の一人はほしいかな?と考えてみたり……


だけど…両立出来るかな?


そんな不安も過ぎったりする。





「沙耶華、そろそろ子供の一人くらい……」



旦那・澪二(れいじ)が言ってきた。




「えっ?子供?そう…だね…」



「………………」



「でも…ごめん…まだ良いかな?」

「…そうか…」


「本っ当!ごめんね。結婚して4年経つのに、そろそろとは思うんだけど仕事、家事など両立する自信なくて…」


「そうか…そうだよな。ゴメンな」


「ううん」






✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕





「ねえ、悠飛(ゆうひ)。私、そろそろ子供ほしいな~」

「子供?」

「うん!だって若いママって良くない?」

「まあ…」



「悠飛が、22歳の時は、1児のパパなってる可能性あるんだよ?子供も若い親が嬉しいし自慢なんじゃないかな?」



「まあ…悪くないけど…俺…まだまだ沢山やりたい事あるし」




「…そう…」



「悪いっ!いや、夕佳(ゆか)の気持ちは分かる。若いママは確かに自慢だよ。お前、可愛いし。子供いるなんて見えないって言われると、きっと嬉しいと思う。でも俺は、まだ、二人の時間を大切にしたい!」



「悠飛…」


「まだ結婚して、1年目じゃん?夫婦関係ないわけじゃないから子供はいつでもつくれるし」


「そうだよね?分かった」








ある日の事――――




「沙耶華、子供、出来たのか!?」


「ううん。ただの体調不良でした。ごめんね?期待させて」


「そうか…体調不良だったのか…」






✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕





「悠飛…赤ちゃん…出来てなかった…」

「そうか」

「あーあ…ほしかったのに……」


「夕佳、急がなくても良いじゃん。きっと神様が、まだつくらなくもいいよって言ってるんだよ」


「…悠飛…」


「もしくはコウノトリさんが、まだ運んでくれなかったんだって」


「…でも…私は…」



「ほしかったのは分かるけど、俺達は、いつでもチャンスはあるから。順番が決まってるんじゃないかな?もしくは順番変更」



「順番変更って…」


「だって子供が出来ない人は、世の中には沢山いるんだよ。だから…そういう時もあるんだと思う」



「………………」



「…それから…夕佳。俺、転勤が決まったんだ」


「えっ?」


「ここから遠くなるけど、通勤は可能だから。しばらくは朝晩の時間に変動あって不規則になるかもしれない」


「…そうか…」



「帰りが遅くなる事もあるかもしれないから、会えない時間が増えると思う」


「…うん…」


「でも出来る限り帰るようにするから、夕佳は無理しないで過ごして」


「分かった…」


「ごめんな」



「ううん…なんか悠飛が言った事、分かる気がする」


「えっ?」


「コウノトリや神様が子供を授けなかった理由…」


「理由?」



「うん。神様が、悠飛の転勤の話を知っていたから、コウノトリが子供を授けなかったのかもって…」


「そうかもな」

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