検体C
我々はコロニーワンにいる。
コロニーとは地球人、人類が発明した宇宙空間にある人工的な惑星である。
ここで、生活をしていると人工的なものは感じず、何なら地球という星よりも緑が豊かで、人類の生活に適していると思えるほどである。
地球の生活を詳しく知っているわけではないが。
我々はコロニーナインまである数あるコロニーの中でも、一番目にできたコロニーのため、老朽化であったり、技術が古いと感じるかもしれない。
しかし、何故か、コロニーワンからコロニーナインまでの建設はほぼ同時に行われており、我々は特に他のコロニーに嫉妬心を抱くことなく、生活できている。
我々は地球という星から生き残るために選ばれたのだ。
そのことに誇りすら持っている。
地球が飢餓や災害などで、何かあった時には、我々コロニーに住む人間が何とか人類の存続を行う必要がある。
これは、我々の命題でもある。
― コロニーワンの状況報告
こちら、コロ二ーワン。本日も特に異常なし。
実験開始まで残り1日。
ここまでは順調に進んでいる。
また、検体Cのマイクロチップの動作も測定した外気温、圧力等の値と一致しており、実験に問題ない。
一つ、気になったが、検体Cは人類の存続というものに以前から拘っている。
単なる個体差かもしれないため、念の為、報告しておく。
本日の報告は以上とする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます