検体C

 我々はコロニーワンにいる。


 コロニーとは地球人、人類が発明した宇宙空間にある人工的な惑星である。


 ここで、生活をしていると人工的なものは感じず、何なら地球という星よりも緑が豊かで、人類の生活に適していると思えるほどである。


 地球の生活を詳しく知っているわけではないが。


 我々はコロニーナインまである数あるコロニーの中でも、一番目にできたコロニーのため、老朽化であったり、技術が古いと感じるかもしれない。


 しかし、何故か、コロニーワンからコロニーナインまでの建設はほぼ同時に行われており、我々は特に他のコロニーに嫉妬心を抱くことなく、生活できている。


 我々は地球という星から生き残るために選ばれたのだ。


 そのことに誇りすら持っている。


 地球が飢餓や災害などで、何かあった時には、我々コロニーに住む人間が何とか人類の存続を行う必要がある。


 これは、我々の命題でもある。



 ― コロニーワンの状況報告


 こちら、コロ二ーワン。本日も特に異常なし。


 実験開始まで残り1日。


 ここまでは順調に進んでいる。


 また、検体Cのマイクロチップの動作も測定した外気温、圧力等の値と一致しており、実験に問題ない。


 一つ、気になったが、検体Cは人類の存続というものに以前から拘っている。


 単なる個体差かもしれないため、念の為、報告しておく。


 本日の報告は以上とする。


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