たまご

@hanaka2o

たまご

 まりちゃん、今日のお話はたまごのはなしだよ。


 あるところに、神様がいたんだ。それでね、神様はたまごをひとつ地上に置いた。何が産まれるかは決めずにね。そのたまごを見た人が想ったモノが産まれるようにしたんだ。

 最初のたまごは真っ黒だった。それを見た人は、黒い鳥でも産まれるのかしらって想ったよ。そしたら真っ黒な鳥が産まれた。カラスだね。

 次のたまごはとっても小さかった。それを見た人は、小さいから手足もないヒモみたいなモノが入ってるなかなって想ったよ。そしたら長いヒモみたいな生き物がニョロニョロって。そう、蛇だね。 

 いくつものたまごから色んな生き物が産まれたよ。

 ここに、そのたまごがひとつあるんだ。まだなんの想いも入れていない、まっさらなたまごだよ。まりちゃんに想ってもらうために特別に神様にもらったんだ。さあ、一緒に考えよう。

 ふわふわの毛?おっきな目?羽がはえて?おしゃべりで?火を吹いて?耳が長くて?鼻は尖って?足は短く手は長い?   どんな生き物が産まれるかな?

 たまごにヒビが、ほら、まりちゃんみてごらんきみの想ったとおりの生き物が、   おや?寝ちゃったね。また明日会えるよ、おやすみなさい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たまご @hanaka2o

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る