恋を知らない女子高生は女教師に恋をした

星月小夜歌

1-1. 葉櫻の出逢い

1. 自己紹介

 私は清永琴葉。光北高校に通う、たぶんどこにでもいる(地味な)高校生女子。

 この春から2年生。文系。成績は……ぶっちゃけ下から数えたほうが早いかもしれない。

 中学までは上から数えたほうが早かったのに、ちょっとランクが上の高校に頑張って合格した後、油断していたらこのザマである。

 1年生の時の担任からは、もっと真面目にやれと言われてしまったが、まあなんとかなるでしょう。

 髪型はだいたいポニーテールか横に一つ結びのどっちか。降ろすとだいたい胸までくらいはある。

 制服を着崩すのは元々好きではないしスカートが短いと落ち着かないので、スカートを作るときには限界まで長くしてもらった。しかしそれでも膝丈は落ち着かない。何故、丈を長くするのも、駄目なのかしら。

 部活は吹奏楽部。ユーフォニアムを吹いている。部活は楽しいけれど、いくつか悩みと疑問の種にもなっている。

 私のいる吹奏楽部は、女子が八割だが、男子もいる。

 部内恋愛で合奏では見えないけれど水面下でバチバチしてたり、楽器庫でいちゃいちゃしてるところにうっかり入ってしまって睨まれたり。

 このように多少面倒な悩みがある。そして、私は……不思議なくらい、全くと言っていいほど、恋愛にも男子にも魅力を感じられない。

 そう、私の疑問は、恋愛や男子の一体何がそこまで人を狂わせるのか、理解できないのだ。吹奏楽部ではない、別の部活 (美術部とか文芸部とか帰宅部とか)の友達は恋愛に興味がない子たちばかりで、一緒にいてほっとする。部活の友達に、好きな男子はいないのかと聞かれてあしらうのはそろそろうんざりしてきた。

 自己紹介の最後に。余談であるが、私の吹奏楽部は掟として、制服の着崩し、具体的にはスカートを折り曲げて短くすること、シャツのリボンを下げること、シャツのボタンを開けること、これに加え上着 (長袖のブレザーと袖無しのベストがある)を着ずにシャツだけを着ることを禁じている。

 理由としては、ステージの上だけでなく常に身だしなみを整えるべきという事である。夏にボタンを一番上まで閉じているのは正直暑く苦しく一つくらい開けさせて欲しい、上着くらい脱がせてくれとは思う。

 しかし、ある日の部活帰りにある同期の女子が彼氏らしき男子生徒と歩いていて、その姿が、シャツのボタンは胸元まで開けられ中のキャミソール?が見えている、リボンは当然そこまで下がっている、スカートは膝上たぶん15センチくらいまで上げられていた、というのを見たときは、呆れるしかなかった。私は真面目過ぎるのかしら。

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