積読大好き雨村くんは文芸部を書庫として利用する。彼は人間関係にも積み、詰む。

家猫のノラ

第1話 読むために買うのではない。積むために買うのである。

俺は雨村孝之。

ポジション、陰キャ。

立派な名前であるが成績は中の上程度。

容姿、メガネ。

趣味、積読。

部活、文芸部、、、を今作ろうとしている。

追記、もう3年生だというのに今から部活を作ろうとしている馬鹿者。

だけどこれには深い訳があるんだ、、、


『孝之、どの本なら捨てていいの?』

『えっ?全部ダメだけど』 


どうやら返答の仕方を間違えたらしい。

母は僕の部屋を埋め尽くし、リビングにも侵入している本達を片っ端から紙袋に入れ始めた。

明日は紙ゴミ回収の日。

本達が捨てられる日。

今日のミッションは

文芸部に入りたい人を見つけ、

署名させ(力づくでいい)、

先生に(誰でもいい)顧問を頼み、

私物を置く許可を貰い、

お母さんがゴミを出す前に帰り、

紙袋を部室(どこでもいい)に運ぶ。

今その第一歩にして最難関の任務、

後輩に声をかけようてしている。

きっとこの人なら、、、


「雲谷さん、文芸部に入りたくない?」

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